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WPP再編、グレイのブランド名は維持
WPPが組織再編の一環として、傘下のグレイ(Grey)をオグルヴィ(Ogilvy)に移管する予定だという。
グレイは2020年にAKQAと統合したが、この度の再編でAKQAから分離することになる。また、AKQAはアジャズ・アーメッド元CEOが昨年10月に辞任し、今夏には新グローバルCEOの発表を予定している。
WPPの広報担当者はCampaignの取材に対し「AKQAの新しいグローバルCEOを迎えるにあたり、クライアントのニーズに応える最適な組織体制を検討する良い機会となりました」とコメント。今回の組織変更により、それぞれの強みにフォーカスできるようになると述べた。なお、グレイはオグルヴィの中でも独立したエージェンシーブランドとして事業を継続していくという。
オグルヴィのグローバルCEOを務めるデヴィカ・ブルチャンダニは、スタッフに宛てたメモの中で、今回の変更により「共通の価値観と、相互補完的な強みを活用できるようになる」と説明する。「グレイが掲げるスローガン『Famously Effective(効く広告)』は、デイビッド・オグルヴィの『We sell, or else.(売らなければ存在価値がない)』という精神とも完全に一致します。グレイを私たちのネットワークに迎え入れることで、この共通のコミットメントをWPPや業界全体においてさらに強化していくことができます」。
WPPは組織構造の改革を進めており、先日もメディア事業を担うグループエムを簡素化し、WPPメディアに変更すると表明している。
グーグル、グローバル事業部門で200人の人員削減
グーグルがコスト削減策の一環として、販売とパートナーシップを担当するグローバル事業部門の従業員を約200人レイオフした。
同社は4月11日にもAndroid(OS)、Pixel(スマートフォン)、Chrome(ブラウザ)などを担当する部門で数百人規模をレイオフ。1月には同部門で早期退職プログラムを実施した。グーグルは世界中で183,323人(2024年12月時点)の従業員を雇用している。
グーグルの親会社であるアルファベットは4月9日、データセンターの能力を増強するため750億米ドルの投資を行うと発表。中核事業である検索などのサービスや、生成AIの開発を支援していく考えだ。
アクセンチュア、ゆめみを買収
アクセンチュアが、日本のデジタルサービス開発企業「ゆめみ」を買収する。ゆめみはウェブアプリケーションやスマートフォンサービスを手掛ける会社で、2000年に創業。同社の従業員約400人はアクセンチュア ソングに加わることになる。合意の条件は公開されていない。
アクセンチュア代表取締役社長の江川昌史氏は「ゆめみの先進的な開発手法を取り入れることで、お客さまと伴走しながら、顧客のニーズを先取りする革新的なデジタルサービスの実現と、絶え間ない成長を支援する体制を強化してまいります」とコメント。「ゆめみは、社員の成長を最優先に考え、柔軟で透明性の高い企業文化を醸成し、優れた従業員体験を提供することで知られています。さらに『社会の実験室』として、現状に満足せず、新しい働き方やアイデアを積極的に試み、継続的な革新を追求しています。アクセンチュアは、ゆめみの進取の姿勢と革新的なアプローチ、そこから生まれる比類なきスピード感から学びつつ、市場にインパクトを与える世界水準のデジタルサービスを創出し、日本企業の変革と競争力強化に貢献してまいります」。
また、ゆめみ代表取締役の片岡俊行氏は「経営戦略の立案から成果の創出までを包括的に支援するアクセンチュアの知見およびグローバルネットワークと、当社が積み重ねてきたデザインエンジニアリングの実績、ユニークで多様な従業員文化、顧客コミュニティーを融合させることで、業界の常識を変えるような革新的なデジタルサービスの創出を加速させていきたいと考えています」と述べた。
アリババ、EC拡大を目指しRednoteと提携
アリババグループ(阿里巴巴集团)が運営するECプラットフォーム「タオバオ(淘宝)」と「Tmall(天猫)」が、中国で人気のソーシャルメディア「Rednote(小紅書)」と提携し、「Red Cat(紅猫計画)」を立ち上げた。
Rednoteのコンテンツと、タオバオやTmallのECサイトをつなぎ、商品検索から直接購買までのプロセスを統合することを目指す計画で、商品へのリンクを投稿に埋め込むことができるようになる。
「Rednoteとの今回の提携は、2025年のブランド成長への支援における新たな章の始まり」と語るのは、アリババグループのバイスプレジデントで、Tmallのプレジデントを務める劉博氏。「タオバオならびにTmallのコマースに関する専門知識と、Rednoteのライフスタイルコンテンツにおける強みを組み合わせることで、ブランドがより効果的にリーチし成長していけるよう支援します」。
【お知らせ】
マーケティング・コミュニケーション業界の傑出した若きリーダーを選出するCampaign主催「40 Under 40」が、2025年度のノミネート受付を開始しました。早期エントリー締切は6月9日、通常エントリー締切は6月26日。くわしくはこちら(英語)をご覧ください。
(文:田崎亮子)