David Blecken
2017年3月24日

電通メディア社員がインドネシアで自殺

電通イージス・ネットワークは3月21日、ポップグループ「JKT48」の劇場支配人を務めていた同社社員・稲尾次郎氏が自殺したことを発表した。

JKT48のファンがツイッターに投稿した弔辞
JKT48のファンがツイッターに投稿した弔辞

日本国籍の稲尾氏は47歳。インドネシア在住は20年余りで、現地契約で勤務をしていた。AKB48の姉妹グループで、電通メディア・インドネシアに所属するJKT48の劇場支配人だった。

自殺の原因はいまだ不明で、電通はこの件に関する直接のコメントを出していない。電通メディア・インドネシアのスポークスマンは、「私たちの仲間であり友人の突然の死に直面し、深い悲しみにあります。私たちの思いはご家族と共にあり、彼らのプライバシーが尊重されることを切に願います」との声明を出した。

現地メディアによれば、警察が本件の捜査を進めているという。電通のスポークスマンは、「稲尾さんのご家族を最大限サポートし、会社の同僚たちにはカウンセリングを行っていく」と語った。多くのインドネシアの人々が、ソーシャルネットワーク上で稲尾氏に哀悼の意を表している。

同氏の自殺が仕事と関連しているのか、示す証拠はない。2015年12月の電通社員、今年2月のフィリピンのオグルヴィPR社員に続き、またも広告代理店社員の不慮の死が起きてしまった。

(文:デイビッド・ブレッケン 編集:水野龍哉)

関連する記事

併せて読みたい

1 日前

トランプ再選 テック業界への影響

トランプ新大統領はどのような政策を打ち出すのか。テック企業や広告業界、アジア太平洋地域への影響を考える。

1 日前

誰も教えてくれない、若手クリエイターの人生

競争の激しいエージェンシーの若手クリエイターとして働く著者はこの匿名記事で、ハードワークと挫折、厳しい教訓に満ちた1年を赤裸々に記す。

2024年11月15日

世界マーケティング短信:化石燃料企業との取引がリスクに

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2024年11月13日

生成AIはメディアの倫理観の根幹を揺るがしているか?

SearchGPT(サーチGPT)が登場し、メディア業界は倫理的な判断を迫られている。AIを活用したメディアバイイングのための堅牢な倫理的フレームワークはもはや必要不可欠で、即時の行動が必要だとイニシアティブ(Initiative)のチャールズ・ダンジボー氏は説く。