
電通が、メディアプランニングツールにアテンション(注視)データを導入した。
これによって同社のプランニングツールには、プラットフォームのオリジナルデータ(世界規模の総合的データ)に加え、アテンションを専門とするルーメンリサーチ(Lumen Research)社による最新の調査結果(英コープ・メディア・ネットワーク社と協働)が反映される。
アテンションデータの統合で、電通のクライアントはより深化したオーディエンスのインサイトを獲得でき、メディアプランニングの精度も高められる。
また、インストアメディア広告へのアテンションを定量化できるようになり、マーケティング予算のより戦略的・効果的支出が可能となる。
電通のプロダクト兼イノベーション担当マネージングディレクター、ケイティ・ハートリー氏は、「リテールメディアは最も影響力の強い広告チャネルの1つとして、急速に進化しつつある」とコメント。「これまでリテールメディアは『戦略的』なものではなく、『戦術的』とみなされてきた。しかし今回の調査結果と弊社の導入は、その認識を覆すものです」
「コープ・メディア・ネットワークやルーメンとの協働で、この画期的データを市場に提供することができました。英国にとどまらず、世界市場でブランドがインストア広告へのアプローチを再定義できる。弊社にとって大きな誇りです」
小規模店舗に恩恵
調査結果はインストアメディアの有効性に関し、従来の常識を覆すものだ。
例えば小規模店舗は、大規模店舗と比較して特定のプロダクトの閲覧で2倍以上、アテンションで3倍、ブランド想起率で4倍に達することがわかった。
こうしたインサイトは、インストアメディアがソーシャルメディアやOOHといった主要な広告チャネルほど影響力がないという従来の認識を覆す。
「もはや補完的メディアに非ず」
コープ・メディア・ネットワークのマーケティング責任者、ディーン・ハリス氏は、「弊社のアテンションデータを電通が統合したことで、インストアメディアもプランニングプロセスで他の主要チャネルと同じ位置付けになった」と語る。「インストアメディアはもはや補完的なものではなく、本義的な評価を得たのです。電通のプランナーはアテンションの高いチャネルを活用して、クライアントのキャンペーンを強化しています」
ルーメンリサーチのマイク・フォレットCEOは、「コープとの調査結果が電通に採用され、大変嬉しい。今回の動きは、効果的なメディア戦略を立てる上でアテンションデータがますます重要になっていることを表します」と語る。
「アイトラッキングのインサイトを組み込んだことで、メディアプランニングにおけるアテンションの具体的価値を明かす、大きな一歩を電通は踏み出した。ブランドはより確かな情報に基づいてマーケティング支出ができ、キャンペーンの効果を最大化できるようになります」
「今回の調査結果が全てを物語っている。消費者のアテンションを重視するブランドは、結果的に想起率やエンゲージメント率、コンバージョン率で高い数値を上げられるのです」