一見すると、ファッションモデルの写真にクレジットが添えられたようなビジュアル。だが読み込んでみると、服装は全てモデルのパートナーが決めたもので、行動はパートナーに制限されており、自信を奪われ、疎外感、孤独感、絶望感にも苦しめられていると書かれている。
このキャンペーンはドメスティックバイオレンス(DV)の被害者支援団体「ウィメンズ・エイド」によるもので、パートナーからの支配的な束縛がどのような影響を及ぼすのかを若者に向けて訴求する。制作はエンジングループ。
パートナーによる支配的な束縛は、パンデミックによって悪化している。イングランド及びウェールズの警察に寄せられた相談や通報の件数は24,856件(2020年3月時点)で、前年の16,679件から大幅に増加した。「支配的な束縛は、その兆候がどのようなものなのかを理解していなければ、特定するのが難しい」と語るのは、ウィメンズ・エイドのファラ・ナジールCEOだ。「加害者は、周りのサポートからゆっくりと引き離し、主体性を奪い、日常を規制し、もっとコントロールしようとします。このキャンペーンは被害者やその周辺の人たちが問題を認識できるようになるため、支配的な束縛について認知度を高めるために不可欠なもの。ここに描かれているような兆候に心当たりがあれば、ぜひ専門家の支援を受けてください」
(文:田崎亮子)