1. LINEの広告収入が激増
東京に本社を置くLINEは、第3四半期の連結業績でビジネスの核である広告収入が48%増、466億円に達したと発表した。「メッセンジャー広告」が大きく貢献したという。その一方、ゲームの低迷でコンテンツビジネスは300億円に減少。AIスピーカー「Clova(クローバ)」は今回の業績に含まれておらず、来年の同時期には収益の主力となっていることが予想される。
2.スマートスピーカーと言えば……
中国の大手テクノロジー企業バイドゥ(百度)が、「レイブンH(Raven H)」と名づけたスマートスピーカーを発表した。今や人間に限らず、その飼い犬まで自分のスマートスピーカーを持つようなご時世だが、それを発明した当の本人は気に入っていない。英国の科学者ティム・バーナーズ=リー氏はブルームバーグに対し、「こうしたデバイスは日和見主義者や国民を嗅ぎ回る政府に対して脆弱な人間を作ってしまった。我々はこのような危険が潜むテクノロジーを拒否しなければならない」と語った。
3.ウィーチャットの利用者、約10億人に
中国の更に巨大なテクノロジー企業テンセント(騰訊)は、広告収入が総収入の17%を占めたと発表した。第3四半期では61%増の約100億米ドルとなり、この7年で最も急速な成長を達成。ウィーチャット(Wechat、微信)の利用者は国内外で15.8%増え、9億8千万人となった。
4.ブロックチェーンの世界的メディアエージェンシーが誕生
今、最も重要な言葉は「ブロックチェーン」だろう。だがAI同様、その意味を本当に分かっている人々は極めて少ない。その反面、ひと握りの人々は他者よりはるかに先を行く。その証が、ロンドンとサンフランシスコ、シンガポール、シドニー、オークランドにオフィスを持つ新たなメディアエージェンシーの発足だ。更なる透明性と価値を求めるブランドにソリューションを提供し、「より公正なメディアサプライチェーンを促進する」ブロックチェーンに基づいたトレーディングデスクを運用していくという。もし本当にそれを実現できるのなら(「もし」にかなり力を入れてしまうが……)、この業界を刷新することも可能だろう。
5.米国で政治的シンボルとなるコーヒーマシン
Campaignではしばしば、ブランドが政治的・社会的立場を表明することの賛否について述べてきた。ここにまた、その一例を挙げる。ある意味ごく平凡なコーヒーマシンメーカーであるキューリグ(Keurig)が、セクハラ疑惑を受けている共和党上院議員候補ロイ・ムーア判事へのインタビューがあまりにも手緩いとして、FOXニュースから広告を撤退した。ムーア氏を支持する保守派は、キューリグのコーヒーマシンを叩き壊す動画を「#BoycottKeurig」とハッシュタグを付けて投稿。果たしてキューリグは正しいことをしたのだろうか。少なくとも、道徳的にそうであることは疑いの余地がない。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)