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AI検索で会話形式での検索が可能に オープンAI
米オープンAI(OpenAI)が、AIを搭載した検索エンジン「ChatGPT Search」を公開した。従来のキーワード検索とは異なり、会話形式で検索できることが特徴で、フォローアップの質問をしたり、リアルタイムの情報を得ることができる。現在は有料版のユーザーのみが使えるが、今後数週間の間に無料版、企業向け、教育機関向けのユーザーも使えるようになる。
同社にはマイクロソフト(Microsoft)が140億米ドル近くも出資しており、検索市場で最大手のグーグル(Google)に真っ向から挑むこととなる。グーグルのみならず、シェア拡大に苦戦するマイクロソフトの検索エンジン「Bing」にとっても脅威といえる。
同社は信頼性が高い情報源を増やすべく、米ニューズ・コーポレーション(News Corporation)や英フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)など数多くの大手メディアと提携してきた。
アマゾン、第三四半期は広告事業が大きく成長
アマゾン(Amazon)が第3四半期の決算を発表し、売上高は1589億米ドル(前年同期比+11%)だった。部門別では、オンラインストアが614億米ドル(同+7%)、サードパーティー向けサービスが379億米ドル(同10%)、アマゾンウェブサービスが275億米ドル(同+19%)、広告は143億米ドル(同+19%)で小売事業の成長率を上回る。広告の関連性を高め、最適化を進めたことで、スポンサードプロダクト広告が「有意義な」成長につながったと、アンディー・ジャシーCEOは説明した。同社は他にもマーケター向けに、動画生成AIなどの機能を提供している。
「この急成長を本当に推進したのは生成AIです」と語るジャシー氏は、AIへの投資が成長に寄与したと考えている。「おそらく一生の間に一度あるかないかというチャンス」であり、今年の設備投資は750億米ドルに増やす計画だ。
同社は他にもショッピング向けのチャットアシスタント「Rufus(ルフス)」や、出品者向けのAIアシスタント「Project Amelia(プロジェクト・アメリア)」などを一部で始めている。
市場予想を上回る業績のメタ、AIには引き続き巨額を投資
メタ(Meta)も第3四半期の決算を発表し、売上高は406億米ドル(前年同期比+19%)とアナリストの予想を上回り、広告売上は399億米ドル(同+18.7%)だった。フェイスブックやインスタグラムといった傘下のサービスは、1日のアクティブユーザー数が32.9億人(同+5%)で、広告のインプレッションは7%増加した。
ただ、アジア太平洋地域では広告売上の伸びが鈍化しており、第2四半期の成長率は+28%だったが第3四半期は+15%に減速。シーイン(Shein)やTemu(ティームー)といった中国の広告主の出稿が伸び悩んだことが原因だと、同社のスーザン・リーCFOは言及した。
同社はこれまでAIに巨額を投資しているが、今後もシステム改善のために「多額の資本を投資する」予定だ。また、拡張現実や仮想現実に注力するリアリティーラボは、今期44億米ドルの損失を計上している。
インスタグラム、人気のない動画の画質を下げていた
インスタグラム(Instagram)が、動画のパフォーマンスによって画質を下げていることを認め、物議を醸した。同社は視聴回数の多いクリエイターを優先し、彼らの動画を高画質で配信する一方で、人気のない動画は画質を下げていると、アダム・モッセーリCEOが「Ask Me Anything(何でも聞いてください)」の動画で説明した。
「ユーザーに可能な限り最高品質の動画を届けることが目標」と述べ、エンゲージメントが高い動画の画質を優先する動的なシステムを採用しているという。長い間視聴されない動画は画質が低くなるが、再び注目を集めるようになれば高画質に再びレンダリングされるとのことだ。
その後、この動画を含んだ投稿にモッセーリ氏は「人々が動画に反応するかどうかに、画質の変化は大きく影響しません。画質よりも動画の内容に大きく左右されます」とコメントした。「画質が重要なのは視聴者よりも、見栄えが悪いと削除する可能性が高いオリジナルの制作者の方です」。
大型セールに惑わされないで スキンケアブランドが呼びかけ
米国発祥の大規模なセール「ブラックフライデー」が今月末に開催される。これに先立ち、無駄な買い物をしないよう呼び掛けるキャンペーンを、エスティ ローダー(Estée Lauder)傘下のスキンケアブランド「ジ・オーディナリー(The Ordinary)」が立ち上げた。
「スローベンバー(Slowvember)」というキャンペーン名は、11月(November)とスロー(slow)を組み合わせた造語。「派手なセールや不合理な購入を避けようというブランドの視点」を強調していると語るのは、キャンペーンを手掛けたサワーソップ(Soursop)のエグゼクティブクリエイティブディレクター、アニー・チウ氏だ。「賢い買い物をすることと、購入の意思決定には目的意識を持つことにフォーカスしようと、消費者を啓発することが主な目的です」。
1カ月間のキャンペーン期間中には新聞の全面広告、ソーシャルメディアコンテンツ、OOHなどを展開。「無分別に買い物をするのではなく、スキンケアと同様に買い物についても思慮深く、持続可能なアプローチをとるよう呼び掛けています。ブランドに対する消費者の信頼がこれまでになく低下している今、ジ・オーディナリーのような企業が姿勢を表明し、敬意を持って顧客に接する必要があるのです」。
(文:田崎亮子)