ツイッターの競合アプリ、メタのスレッズ(Threads)は、ローンチサイトが用意され、7月5日にiOS版が先行リリースされた。その後、Android版もリリースされている。
一部の開発者はこのアプリを早期に手に入れていた。リーク情報によると、スレッズはツイッターと似ているが、独自の特徴もいくつか持っているという。
スレッズはインスタグラムと同期
スレッズとインスタグラムの間には多くの共通点がある。そのため、インスタグラムでフォロワーを獲得していたブランドやクリエイターは、ブルースカイ(Bluesky)やマストドン(Mastodon)、ポスト(Post)などの、他のツイッター代替候補のように、この文字ベースのプラットフォームをゼロから始める必要はない。
インスタグラムとスレッズのユーザーは、ユーザー名、表示名、プロフィール画像を共有することができる。つまり、ユーザーはなりすましを心配する必要がない。また、一方のアプリで誰かのアカウントをブロックすると、もう一方のアプリでもブロックされる。
しかし、フォロワーの獲得についてはまた別の話になる。3月にスレッズの情報を入手した、開発者で情報提供者でもあるアレッサンドロ・パルッツィ氏によると、インスタグラムは、人々がフォローしているインスタグラムプロフィールの、スレッズアカウントをプロモートする予定だそうだ。つまり、インスタグラムは、ブランドやクリエイターをフォローしている人々に、スレッズでもこれらをフォローするよう促すということだ。だがこれは、自動的なプロセスではない。
9to5Googleによると、ユーザーは、フォローしていたインスタグラムアカウントを、スレッズでも自動的にフォローすることを選択できる。選択すると、公開プロフィールについては自動的にフォローを開始し、非公開プロフィールにはフォローリクエストを送信する。相手がまだスレッズアカウントを登録していない場合には、「フォロー保留中」のステータスを残すことができる。
いくつかのブランドとクリエイターが既に参加
メタ社は7月5日、スレッズのウェブ版を一時的に提供したが、数時間後にすぐ取り下げた。一部のクリエイターやブランド、エグゼクティブ、例えばネットフリックス、ゲイリー・ヴェイナチャック、マーク・ザッカーバーグ、インスタグラムの責任者であるアダム・モッセーリ、そして作家のコナー・フランタなどが、その時にアカウントを作成した。
ネットフリックスが投稿したスクリーンショットを見ると、まるでツイッターの画面を撮影したように見える。
また、ビジネスインサイダーによると、メタは既に、選ばれたクリエイターにスレッズの使用方法やガイドを提供しているようだ。ただし、それらのガイドは、アプリのダウンロードの仕方や使い方、投稿するタイミングや頻度に関するアドバイスに限られているとのことだ。
クリエイターの収益化に関する情報には触れていないが、メタがクリエイターとの関係構築に重点を置いているのは間違いないだろう。
機能的にはツイッターと同等
ネットフリックスの投稿が示しているように、スレッズはツイッターとほぼ同じ機能をもっている。投稿には、「いいね」、リポスト、返信のアイコンが付く。プロフィール写真は小さな円型で表示され、文字数カウントや画像、動画の添付ボタン、青いチェックマークの認証バッジ(ゴールドバッジは現時点でまだないが)まである。
インスタグラムの責任者アダム・モッセーリ氏が7月3日に投稿した内容によると、安全面を考慮し、ユーザーは自分の投稿に返信できるユーザーを、自身がフォローしているユーザーや投稿内で引用したユーザーだけに制限することが可能だという。
ローンチ時には、EUではアクセス不可
デジタル市場法の曖昧さのため、スレッズは、ローンチ時にはEUでは提供されない。また、この市場でいつ提供を開始するかについても情報はまだない。
マストドンのような分散型プラットフォームへの接続
スレッズは、マストドンのような分散型プラットフォームへの投稿をサポートするプロトコルActivityPubにも将来的に対応する。ローンチ時にはまだ利用できないが、それにより、スレッズユーザーは、サーバー経由で他のユーザーをフォローしたり、交流したりすることが可能になる。ただ、それらの動作がどのようになるかは、現時点ではまだ不明だ。
現時点では、ActivityPub機能のリリース日は未定。
メタはツイッターのトラブルを利用
スレッズは当初、7月後半にデビューする予定だった。しかしツイッターが、ユーザーが一日に読めるツイート数に制限を設け、ツイートデックの有料化にも踏み切ったのを受け、メタはスレッズのリリース日を前倒しすることにした。
メタの最高プロダクト責任者クリスコックス氏は、6月の全社会議で、社員に向けて次のように語っている。「クリエイターや官僚たちから話を聞いたが、彼らは、信頼できる情報を提供する、より健全なプラットフォームの登場に興味があると言っている」。