アマゾンは、より大規模で収益性の高いアドテクプロダクトに重点を置くため、2024年末までにアドサーバーを廃止することを決定した。
アマゾンは、今週初めにクライアントへの通知を開始し、Campaign USに対しても、アドサーバー廃止の決定を認めた。
「我々は、2024年第4四半期にアドサーバーを廃止することを決めた」と、アマゾンの広報担当者は語った。「アマゾンでは、顧客に価値を提供する製品とサービスの可能性を常に評価しており、それらの評価結果に基づいて定期的に調整を行っている」
また、クライアントが別のアドサーバーに移行し、アドサーバー廃止の影響を受ける従業員の手当を行うための「十分な時間」を確保するため、このタイミングでニュースを公表することにしたと説明する。ただし、影響を受ける従業員数や役割の詳細は公開していない。
アマゾンは、2019年に、アドサーバーやダイナミック・クリエイティブ最適化(DCO)ツールを含む、サイズミックの資産の一部を買収した。だが、その取引額は開示されてこなかった。
サイズミックは、数か月前に米国破産法第11章に基づき破産を申請し、その資産を1億ドルから5億ドルまでと見積もっていた。その内、データマネジメント・プラットフォーム(DMP)とデマンドサイド・プラットフォーム(DSP)は、最大3600万ドルでゼタグローバル(Zeta Global)に売却された。
アマゾンは今年6月に、アドサーバーをサイズミック・アド・スイート(Sizmek Ad Suite)からAmazon広告サーバーへとリブランドし、DSP、サプライサイド・プラットフォーム(SSP)、クリーンルームソリューションを含めて、アマゾンの広告ツールスイートとの全面的な連携を謳っている。
セールスポイントは、アマゾンのeコマースサイトで広告主が自社のファーストパーティデータを利用してビデオ広告やディスプレイ広告をパーソナライズできることであり、広告主がアマゾンで商品を出品していない場合でも利用可能なことだ。
古いサイズミックDCO(動的クリエイティブ最適化)の機能も、来年末まで段階的に廃止される予定だが、アマゾンはDSPおよびスポンサード広告プログラムにも類似した機能を備えていると説明している。
アマゾン広告は、アド・フォーム(Adform)、ダブル・クリック、フラッシュトーキング(Flashtalking)などの認定アドサーバーにも対応している。
アマゾンは、「包括的で、柔軟性と耐久性を持つ」アドテクの構築を続けるため、同社のアドサーバーを廃止する決定を下したと述べた。
インサイダーは、8月にアマゾンの求人広告を発見し、アマゾンはパブリッシャー向けに新しいSSPを構築しているようだと伝えた。
アマゾンは、2024年初めにアマゾンプライムビデオのストリーミングサービスに広告を導入する予定だと発表しており、自社所有プロパティの広告在庫をさらに開放しつつ、アドテク機能の構築も行っている。
アマゾンの広告ビジネスは、第2四半期に22%成長し、106億ドルにまで成長した。スタティスタによれば、2027年までには708億ドルのビジネスに膨れ上がると予想されている。