* 自動翻訳した記事に、編集を加えています。
リチャード・エデルマン氏が、自身の名を冠した会社の従業員の5.3%にあたる330人を解雇したのは、難しい決断だった。
同社は家族経営の非上場企業であり、持株会社傘下のエージェンシーやプライベートエクイティに支えられたエージェンシーと同じプレッシャーにさらされているわけではない。
しかし、人員削減のニュースが発表された際に、同氏はPRWeekにこのように語った。「私はこのようなことをするのが好きではなく、できる限り先延ばしにしてきました。上場企業であれば、人員削減は数カ月も前に行われていたでしょう。しかしビジネスを運営することが、私の仕事なのです」。
そして「エデルマン社を去る人々には、会社やクライアントへの貢献に感謝したいと思います」と述べた。
これはPR業界、特にエージェンシー部門が根本から破綻するという兆候なのか、それとも世界最大規模かつ最も有名な企業であるにもかかわらず苦境に陥ったエージェンシー1社の話に過ぎないのかというのが、大きな疑問だ。
AIの世界に備えてエージェンシーは再編され、グローバル企業や政府、組織が向き合う課題は増え続けている。これらに対応するため、エデルマンのライバルである大手持株会社は、いずれも異なる進化の段階にある。
インターパブリック・グループ(Interpublic Group)のウェーバー・シャンドウィック・コレクティブ(The Weber Shandwick Collective)は前年比2桁の増収を、ゴリン(Golin)は1桁台半ばから後半の成長を達成しており、どちらも好調だ。
バーソン(Burson)はバーソン・コーン&ウルフ(BCW)とヒルアンド ノウルトン(Hill & Knowlton)の統合が進行中であるため大目に見られているが、それも永遠に続くわけではない。オムニコム(Omnicom)傘下の各社は、パブリックアフェアーズや政府関係業務の拡大と、最大手エージェンシーであるフライシュマン・ヒラード(FleishmanHillard)の子会社GMMBによる総選挙関連のメディアバイイングによって、業績が安定していた。
明らかなトレンドとして浮かび上がるのは、今年は経済的不確実性によって離職率が大幅に低下し、従業員がこれまで以上にずっと長く勤務していることだ。これは、自社を担当するエージェンシーの人間が頻繁に入れ替わり、提案や年次評価が終わると上級幹部と顔を合わせる機会がなくなることに不満を抱いていたクライアントにとっては、実は良いことだろう。
だが、人々が職を失うこと、特に何十年もエージェンシーで働き、クライアントに貢献してきた優秀な人材が職を失うのは決して良いことではない。エデルマンはCOVID-19以降、レイオフを実施してきた。リンクトイン(LinkedIn)などのソーシャルネットワークには影響を受けた従業員を支援したいという声が、エデルマン元社員など多くの人々から寄せられている。
7月初旬には、カンヌでの成功で絶好調だった同社CEOのエデルマン氏がPR Weekのポッドキャスト用に行われたインタビューに出演。最大の市場である米国で2023年に収益が9%減少したものの、同社にとって有利に転じ始めていると語った。
ヘルスケアとテクノロジーの事業が回復し、同社のパイプライン(見込み顧客の獲得から受注まで一連のプロセス)は昨年秋よりもはるかに強固になったという。同社の回復力に自信を見せ、2024年には世界全体1~2%の緩やかな成長と、米国市場で若干の低下を予測していた。「再び落ち込むことはないでしょう」と同氏。「エデルマンはテクノロジーとヘルスケア関連の案件が45%を占めているため、これらの動向が当社の業績を左右します。しかし、これらのクライアントの一部は、当社に予算を割いてくれています」。
その後、この見通しは明らかに変わった。2024年の同社の収益は米国で8%減少、世界全体で3%減少する見通しだとエデルマン氏は語る。2024年には、多数の上級管理職が退職したり定年を迎えたり、あるいは競合他社に引き抜かれた。数十年にわたる関係を築いてきたクライアントも離れていった。
米国と並んでアジアでの業績も悪く、人員削減のうち約50人がこの地域の従業員だ。英国、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、中南米、カナダはいずれも好調で、これらの地域ではまだ人員削減の影響は出ていない。
レイオフと並行して組織再編も進めており、専門エージェンシーなどを多く閉鎖して、ヘルスケア、テクノロジー、食品・飲料、金融サービス、エネルギー転換の5つの主要分野に集中させている。
食品飲料を扱う子会社「エディブル(Edible)」は2015年にフロリダ・シトラス(Florida Citrus)の数百万米ドル規模の契約を獲得したが、今年になって同社は去り、CEOのカルメン・ジョンソン氏は9月にエディブルを退社している。
今回の人員削減は、バイスプレジデント以上の役職者、アシスタントアカウントエグゼクティブ、シニアアカウントスーパーバイザーの間で均等に行われたとエデルマン氏は強調する。おそらく、AIによって人員が削減されたという印象を打ち消すためだろう。
ほとんどの企業や内製チームで、いずれは若手人材を削減する必要が出てくるだろう。なぜなら、PR業務に関連した「単調で手間のかかる作業」の一部をAIが肩代わりするようになり、浮いた費用は戦略的かつ創造的な業務を担う上層部の人間に再投資されると考えられているからだ。その一方で、ほとんどの企業ではAIを最大限に活用するのに必要なテクノロジープラットフォーム、ツール、システムへの投資を、依然として積極的に行っている。
PR業界は転換期を迎えている。CEOや経営陣の上級顧問のような存在になろうという目標を達成したが、今ではこの増大した責任を果たすことが求められているのだ。
同時に、企業は変革のプロセスを経てAI時代の到来に備え、地政学的および経済的な不確実性という継続的な課題に対処しながら、進化するDE&I(多様性・公平性・包摂性)やESG(環境・社会・ガバナンス)のインパクトに関する複雑な課題にも取り組んでいる。そのため、予算は圧迫されている。
自分たちには適切な戦略と「非常に強い」チームがあるが、十分な利益を上げていないとエデルマン氏は言う。家族経営とはいえビジネスであり、AIへの「多額の」投資が必要だと繰り返し述べた。同氏は、エージェンシーの哲学「行動が信頼を獲得し、信頼が成長を促進する」に全面的に賛同している。
一つ確かなことは、残る人々は皆、クライアントの業務にかなりの時間を費やす必要があるということだ。「シニアスタッフが全ての業務を主導し、私たちはクライアントのニーズに迅速かつ柔軟に応え続けなければなりません」とエデルマン氏は先日、社員に語った。
今回の人員削減を経てもエデルマン社の規模は世界最大であり、たとえ2024年の成長率がマイナス3%という予測が現実になったとしても、世界的に10億米ドル超の収益を達成し続けるだろう。もちろん、クライアントはそのようなことは気にしない。彼らが求めるのは、優秀な人材による素晴らしいサービスが自分達に付加価値をもたらすことだけだ。
エデルマン社は1月に開催されるダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)で、25回目となる報告書「トラスト・バロメーター」を発表する予定だ。この報告書は世界各国の企業や政府、団体、メディアなどへの信頼に関する議論において事実上の目安となっており、企業の役員会でも常に言及されるエデルマン社の知的財産だ。それでもやはりPR業界は企業のCEOやCFOにPRの有効性を訴え、その重要性を強調する努力を強化すべきだとエデルマン氏は語る。
同社は、他の大手PRエージェンシーやクリエイティブエージェンシーの最高水準に匹敵する素晴らしいクリエイティブワークを制作している。そのクリエイティブのスタイルは、実際に営業実績や行動変化を生み出す上で効果的だ。
いくつか例を挙げると、DPワールド(DP World)のために制作した「The Move to Minus 15」キャンペーンは、冷凍食品の温度をマイナス18度からマイナス15度に上げることで二酸化炭素排出量を削減するよう呼びかけるもので、世界の海運会社の多くで採用され、カンヌライオンズではチタニウム部門のグランプリを獲得した。パーデュー(Perdue)の「Beer Can Chicken」は売上を7%増やし、ダヴ(Dove)の「Code My Crown」はゲーム会社「アクティビジョン(Activision)」に採用された。イケア(IKEA)の「Second-Hand Tax」は、カナダで中古品の売上を192%増加させた。
エデルマン社にとってこの数年は、特に米国では明らかに厳しい時期だった。しかし世界最大のPR会社として、CEOの力強いリーダーシップのもと邁進している。
現時点で同社が苦境に立たされていようとも、次世代のPRの課題や機会に対応するためサービスの改革を進めている。これを過小評価するべきではないだろう。