コカ・コーラは、同社の有名なビジュアルイメージに、ユーザーの独創性を追加して、アート作品をクリエイトできる人工知能(AI)プラットフォームを立ち上げた。
「Create Real Magic」と呼ばれるこの新しいプラットフォームには、「DALL-E」や「GPT」などのAIツールが組み込まれており、ユーザーは、コカ・コーラのボトルやロゴ、それにサンタクロースやシロクマなどのキャラクターを使ったアート作品を制作できる。
今回のアート制作コンテストは、17カ国のクリエイターを対象としており、期間は3月31日までだ。入選者の作品は、ニューヨークのタイムズスクエアとロンドンのピカデリーサーカスにあるコカ・コーラのデジタルビルボードで紹介される。
また、その中から30人のクリエイターが選出され、アトランタの本社で開催される3日間のワークショップ「Real Magic Creative Academy」にも参加できるという。
「当社はビジネスのあらゆる面でデジタルの力を活用している。Create Real Magicは、我々の活動に人々を招待するための一つの手段だ」と、ザ・コカ・コーラカンバニーでグローバル最高マーケティング責任者を務めるマノロ・アロヨ氏は言う。
「コカ・コーラのファンに、この革新的なプラットフォームを使ってもらい、独自の極めてユニークなAI作品を作ってもらいたいと考えている」と、同氏は語った。
また、コカ・コーラはこのキャンペーンの一環として、世界的なAIアーティストである、エマ・ソフィーヤ氏(米国)、クリス・ブランチ氏(欧州)、ポール・パーソンズ氏(欧州)、イアン・ファ・フアグ氏(アジア)の4人と提携した。
彼らは、オープンAI(OpenAI)の技術とコカ・コーラのイメージを組み合わせた独自のアート作品を制作している。
「このキャンペーンは、アーティストとコカ・コーラのファンが共同で作品を制作する機会を提供する。またこれは、マーケティングにおけるAIの潜在的影響力を利用して、これまで想像もできなかった方法で消費者を引き付ける取り組みの、出発点のひとつにすぎない」と、アロヨ氏は付け加えた。
「ファンたちが、ブランドを象徴するイメージを利用してどんなものを創ってくれるのか、今から楽しみだ」(アロヨ氏)
「Create Real Magic」は、コカ・コーラが2021年にローンチした「Real Magic」プラットフォームに続くものだ。
Real Magicでは、ワイデン・アンド・ケネディ・ロンドン(Wieden+Kennedy London)、ノウン・アンノウン(KnownUnknown)、ケニオン・ウェストン(Kenyon Weston)の3社が、コカ・コーラのパッケージから着想を得てデザインし、一新された「ハグ」ロゴが公開された。
また、キャンペーンのスタートに合わせて、ゲームの世界からヒントを得た2分間のショートフィルム「One Coke Away From Each Other」も公開された。
同社ではその後も、このプラットフォームを利用した取り組みの一環として「The Conductor」や「Believing is Magic」といった動画も制作している。