パワーリスト2023 #AuthenticLeaders |
河野奈保
楽天
副社長執行役員、CMO
(2020年より4年連続で選出)
河野奈保氏の4年連続選出は極めて妥当と言えよう。同氏のリーダーシップのもと、楽天のエコシステムは躍進を続け、アクティブユーザー数は日本国内だけで3900万人に。その75.6%は、この1年で同社のサービスを2つ以上利用した。
楽天の主力サービスは、日本でもトップのロイヤルティプログラム(優良顧客に特典を与える制度)と言われる「楽天ポイント」だ。2021年には5300億ポイントを発行、昨年は前年比23%増で累計3兆ポイントを超えた。
河野氏は複数のサービス −− 楽天モバイルや楽天リンク、スーパーポイントアッププログラムなど −− の利用を顧客に呼びかける取り組みを牽引。顧客には利用の仕方によって通常の2〜3倍、時には15倍のポイントが獲得できる特典を与えた。また、マーケティングに関する知識と効率性を高めるプログラム『インターナルマーケティングコミュニティー』も立ち上げた。
ファーストパーティデータをブランディングやマーケティングに活かす取り組みにも尽力。その一環が、ユーザーエンゲージメントを高め、エコシステムの成長を促す6200億ポイントの付与プログラムだ。さらにシステムユーザビリティスケール(SUS、システム・製品に対するユーザーの主観的満足度を評価する指標)向上のため、ユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスの改善にも着手した。
マーケティング業界のイベント参加にも積極的だ。昨年はローマで開かれた「ワールド・リテール・コングレス」で基調講演を務め、アジアの代表的広告賞「WARCアワード・フォア・アジアン・ストラテジー」では審査員に名を連ねた。
持続可能なライフスタイルを促進する「Go Green Together」、インクルーシビティ(包摂性)を高める「Walk Together with Pride」といった楽天独自のプログラムも推進。
河野氏の楽天、ならびにマーケティング業界に対する貢献度は非常に高い。DEIの促進、ブランドカルチャーの創造を先導し、副社長執行役員も務める同氏は、APACにおけるCMOたちの良き手本でもある。
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(文:Campaign Asia-Pacific編集部 翻訳・編集:水野龍哉)