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2020年12月03日

マーケターの過半数は、KPIで「デジタル変革」を重視

マーケターの関心がデジタル化とROI(投資利益率)に推移している。だが果たして、正しい効果測定ツールやチャネルを使っているのだろうか? CampaignがGfK社と共同で実施した「『ニューアブノーマル時代』のブランディングとマーケティング」の調査結果をご紹介する。

マーケターの過半数は、KPIで「デジタル変革」を重視
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コロナ禍での経済の低迷、そして消費者行動の変化に全世界が取り組む中、マーケターは予算縮小、そして消費パターンの推移にも対処しなければならない。コロナはパンデミック(世界的大流行)以前から始まっていたデジタル変革を加速させた。市場調査会社eマーケターによれば、デジタル変革への企業の支出は過去数年間で二桁台の伸びだという。

マーケティングの優先課題と予算はどのように変わったのか。そしてマーケターはコロナ禍で、消費者との関係をどう維持しようとしているのか。そうした実情をより的確に把握するため、Campaign Asiaは世界有数のマーケティングインテリジェンス企業GfKと共に「『ニューアブノーマル時代』のブランディングとマーケティング」と題する調査を実施した。

調査は7月27日から9月3日の間、アジア太平洋地域(APAC)13市場のマーケター144人を対象に行われた。

対象者の多くはディレクターやヴァイスプレジデント、マネージャーといった役職にある人々で、業種は金融サービスやテクノロジー及び情報通信、日用消費財など11以上に及ぶ。

マーケティング予算は縮小した。だが消費者は、いくつかの業種への関心を逆に強めた。

回答者の大多数(73%)が「予算が縮小した」と答えたことに驚きはない。これを業種別に見ると、小売業では22%が「縮小した」と答えた一方、33%は「変わらない」と回答。これは、ロックダウンの最中でも消費者と積極的に関係性を保つ必要があることを示す。予想外だったのは日用品業界で、特定の家庭用品の需要が増加したにもかかわらず、100%が「縮小」と回答した。

事業への影響では、44%が「成長が鈍化」と回答。一方で27%が「収益は横ばい、あるいは減少したが利益は増加」と答えた。後者はテクノロジー及び情報通信業界で35%に達した。

ROIとデジタルへの注力

では、コロナ禍でマーケティングの優先課題はどのように変わったのか。短期的売上が重視されるようになったのか、あるいはデジタル化を促進する支出になったのか。

コロナ禍の前後を問わず、優先課題の3つのうちの1つに選ばれたのは「売上増」だった。興味深いのは、コロナ以降「ROIの最大化」が脚光を浴びていること。コロナ以前ではわずか9%だったのに対し、コロナ後では56%が現在の優先課題に挙げた。

これは縮小した予算が効果的に使われているか、あるいは少ない予算でより大きな効果を上げているかに重点が置かれていることを示す。

また、ROIの最大化とデジタル化の加速には関連性があるようだ。

「コロナ後のKPI(重要業績評価指標)は何か」という質問には、56%が「デジタル変革がより重要になっている」と答えた。

これはデジタル重視のエンゲージメントチャネルへの移行を表す。調査では、コロナ禍での様々なチャネルへの予算配分に関しても尋ねた。

多くのマーケターはトレードマーケティング(小売店の店頭を起点としたマーケティング手法)やOOH(屋外広告)、印刷物といった従来型チャネルから、ペイドサーチやソーシャルメディア、モバイルといったデジタルチャネルへ移行していると回答した。

だが、すべてのマーケターが最も実用的な効果測定ツールを活用しているわけではない。

マーケティングの優先課題と測定法の間では、潜在的なギャップが生じた。

マーケターの2人に1人は「すべてのキャンペーンを測定する」と答え、34%は「キャンペーンを選択して測定する」と回答。

にもかかわらず、ROIの最大化やデジタル変革を優先課題に掲げるマーケターで、データ主導の測定ツールやマーケティングミックスモデルを導入している人は半分に満たなかった。

ROIを最優先課題に掲げる56%のマーケターの中で、データ主導の測定ツールを活用している人は半分以下。また、デジタル変革がコロナ後の重要課題と答えた56%のマーケターの中で、マーケティングミックスモデルを導入している人はわずか40%だった。

測定法で最も人気が高かったのはグーグルアナリティクスのラストクリックで58%。次がリーチアンドフリークエンシーで56%、シェアが51%だった。これらの測定法は確かに有効性があるが、実用性では劣る。

こうした数字を以下の質問に対する結果と比べてみると、興味深い現状が見えてくる。

「マーケティング効果の測定に関して、自社をどのように評価しますか?」

30%は「ゲームチェンジャー」あるいは「一流」、29%は「上級」、16%はまだ始めたばかりの「初心者」と答えた。

これは、30%のマーケターはより実用的ツールを活用し、29%はラストクリックやリーチアンドフリークエンシーといった従来型の測定法を使っているということなのだろうか。

消費者との適切な関係を構築するため、マーケターには正確な測定法が求められる。デジタルへの移行は必然と言える。

肝心なのは、短期的利益と長期的利益、どちらの場合でも有益な実用的インサイトを生み出せるツールをマーケターが活用しているか否か、ということなのだ。

調査結果のより詳しい内容に関しては、「ニューアブノーマル時代』のブランディングとマーケティング」をダウンロードしてください。

(翻訳・編集:水野龍哉; 原著: 56% of marketers say digital transformation objectives are seen as an increasingly important KPI

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*  eマーケター「世界のデジタル広告支出:2020年第2四半期」www.emarketer.com/content/global-digital-ad-spending-update-q2-2020

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