米国の保険会社CSAAは、1990年代に人気を集めた男性ボーカルグループのメンバーを複数起用し、懐かしさを呼び覚ます動画を公開した。
登場するのは、イン・シンク(NSYNC)のジョーイ・ファトゥーン、ナインティーエイト・ディグリーズ(98 Degrees)のニック・ラシェイ、ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック(New Kids On The Block)のジョーイ・マッキンタイア、ボーイズ・トゥ・メン(Boyz II Men)のウォンヤ・モリス。4人が「ボーイズ・ノー・モア」という架空のグループを結成したという設定で、SNSの公式アカウントも用意された。クリエイティブを担当したのはデロイト・デジタル。
彼らが歌う「メイク・イット・ライト(Make It Right)」は今回のために書き下ろされた曲で、人生がうまくいかなかったとしても私たちが支える……といった内容の歌詞になっている。楽曲へのリンクサイトには、90年代を彷彿とさせるカセットテープの画像を掲載。また4人は実際にはツアーを開催していないが、ツアーバスの車体が米国内の都市を訪れた。
「新しくてエキサイティングなものを生み出し、視聴者や顧客を驚かせ、喜んでもらうことが目標でした」と語るのは、CSAAのカスタマーエクスペリエンス&マーケティング担当EVPのリンダ・ゴールドスタイン氏。「90年代のボーイズバンドの音楽のオマージュである動画によって、視聴者がかつてテレビでこのようなバンドを見たり、ライブに出かけたりしていた時代へと呼び戻したかったのです」。
また「保険とボーイズバンドは、ユビキタスな存在であることが似ている」とし、出来るだけ多くのファンにアピールすることが重要だったと述べた。
なお同社は昨年も、リック・アストリーの1987年のヒット曲を用い、本人が登場する動画を公開している。「君を諦めない、がっかりさせない、浮気もしないし見捨てない。泣かせないし、別れを切り出すことも、嘘をついて傷つけることもない」という原曲の歌詞が、保険会社のメッセージとも合っていた。
(文:田崎亮子)