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台湾、中国の動画配信サービスを締め出しへ
台湾は、中国本土のIT企業によるOTTサービス(インターネットを通じた動画、音声、メッセージなどの配信サービス)の販売を禁止する規制を今月3日より施行した。愛奇芸(アイチーイー)の台湾でのOTTエージェントは21日、サービス提供を10月15日に停止することを発表。200万人もの会員が影響を受けることとなる。同社は既に有料契約を終了している。
騰訊視頻(テンセント・ビデオ)も新規制の施行で大きな影響を受けるが、同社からの発表は現時点では無い。
フェイスブック、誤情報を拡散するネットワークを削除
フェイスブックは22日、中国とフィリピンの偽アカウントのネットワークを削除したことを明らかにした。どちらも偽アカウントを通じて誤情報を拡散しており、「コンテンツよりも行動にフォーカスして」削除したという。これらのネットワークは、標的とする国に在住しているかのように見せかけ、互いに「いいね」を押し合うなどしながら、中国の南シナ海進出やフィリピン・ドゥテルテ大統領を支持するコンテンツを拡散していた。
安全性確保を求められるTikTok
先週末から、ティックトック(TikTok)の米国事業をめぐる措置が二転三転している。米国事業の売却を命じる大統領を受け、ティックトックはオラクルを技術パートナーとして選定。しかし米商務省は18日、米国内での新規ダウンロードを20日に停止する旨を発表した。その後、禁止措置の発動は延期された。
そんな同社は先日、フェイスブック、ツイッターなどソーシャルメディア9社に対し、有害コンテンツの特定と削除に向けて連携していくことを提案した。有害コンテンツの投稿者は視聴数を稼ぐため、複数のプラットフォームに投稿することが多い。各社が連携することで、より迅速なコンテンツ審査が可能になり、人々が閲覧してしまうリスクを下げることができると説く。
また、アジア太平洋地域でのコンテンツ審査について「TikTokアジア太平洋セーフティー・アドバイザリー・カウンシル」を設立したことも発表された。さまざまな分野の専門家7名を招いたこの外部委員会では、現在の課題や今後直面するであろう課題を明らかにし、これに取り組むための戦略を立てていく。日本からはお茶の水女子大学の坂元章教授が参加する。
広告主団体が主導する有害コンテンツ対策
広告主が主導する「グローバル・アライアンス・フォー・レスポンシブル・メディア(GARM)」が、ソーシャルメディアの誤情報やヘイトスピーチへの対策でプラットフォーム大手と合意した。昨年のカンヌライオンズにて立ち上がったGARMは、世界広告主連盟(WFA)と共に有害コンテンツの定義を決め、共通の評価基準を作成した。メディア・レーティング・カウンシル(MRA)による外部監査も実施する。「これまではプラットフォーム各社が独自に有害コンテンツを定義し、カスタマイズされたツールを使っていた」ことから「非効率で、拡張性のないシステムになっていました」と語るのは、WFAのステファン・レールケCEO。未だ課題は山積しているが業界全体のブランドセーフティー構築において「大切な第一歩」だと述べる。
世界最大のデジタルOOHキャンペーン
OOH(屋外広告メディア)の世界的な業界団体がグローバルキャンペーン「#OurSecondChance」を展開し、4万カ所のデジタルスクリーンにビジュアルを映し出した。2021年になっても「最前線で働く人々への感謝の気持ちを忘れていないだろうか?」「外出できる喜びを感じているだろうか?」「新しい趣味に取り組んでいるだろうか?」と、コロナ後の世界を見据えたメッセージとなっている。「これまでで最大のデジタルOOHキャンペーン」とのことで、日本、豪州、中国、マレーシアなどを含む60の国/地域で、今月30日まで実施している。
(文:田崎亮子)