ロイタージャーナリズム研究所のデジタルニュースリポート2023は、TikTok(ティックトック)が「この1年で最も成長したソーシャルプラットフォーム」であることを明らかにした。ティックトックを利用する18~24歳の割合は、2019年の5%から、2023年には38%まで上昇し、スナップチャット(35%)やツイッター(33%)を上回った。そして、18~24歳の5人に1人(20%)が、TikTokをニュースソースとして利用している。
TikTokの人気が高まっているのとは対照的に、フェイスブックを利用する若者は、2014年の72%から、2023年には38%まで減少した。
18~24歳に最も人気があるソーシャルネットワークはインスタグラムとワッツアップで、それぞれ60%と54%の人が利用している。
リポートによれば、TikTok、インスタグラム、スナップチャットのユーザーはニュースに関して、ジャーナリストやニュースメディアよりも、有名人やインフルエンサーに注目する傾向があるという。
英国では、ニュースを読むためにニュースサイトやニュースアプリを利用する18~24歳は、2015年からは半減しており、その割合は53%から24%にまで減少している。一方、オンラインでニュースを読むための主な手段としてソーシャルメディアを利用する人は、18%から43%に増加している。
このリポートは、ユーガブ(YouGov)社が2023年1月から2月にかけて46カ国の9万3000人以上を対象に実施した調査に基づいている。
ロイタージャーナリズム研究所のラスムス・ニールセン所長はリポートの序文で、若い世代は「上の世代の習慣や関心、価値観に合わせた従来のニュースにはほとんど興味を示さない。その代わりに、ソーシャルメディアを通じて提供される、よりパーソナルで選択肢の多い参加型サービスを好む傾向にある」と述べている。
ソーシャルメディアで育った人々は「ニュースに関してさえも、ジャーナリストより、インフルエンサーや有名人を重視する」と、リポートには記載されている。
また、このリポートで、フェイクニュースに対する懸念が広がっていることも明らかになった。全世界で半数以上(56%)の人が、インターネット上のニュースに対し、その真偽を見分けることに不安を感じていると回答している。それも、ニュースソースとしてソーシャルメディアを利用する人(64%)の方が、ソーシャルメディアを全く使わない人(50%)よりも、不安に感じている割合が高いという。