※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。
無駄なピッチを省いてリソースの有効活用を
独立系クリエイティブエージェンシー「マザー(Mother)」は、新規クライアントがクリエイティブピッチ(コンペ)を行わずに継続した場合に、初年度の利益をNPOに寄付する「Pitch It Forward」を開始する。過酷なピッチに忙殺されることを抑え、代わりに潜在利益をクリエイティブ・プロジェクトに投資することを目指す取り組みだ。
マザー・ロンドンのパートナー&戦略責任者であるクリス・ギャラリー氏によると、最高の仕事とはクライアントとエージェンシーが価値観や志、目的意識を共有し、強固な関係を築いてこそ生まれるものだという。「マザーで25年間ピッチを行ってきましたが、本当のところは――たとえどんなに熱心に取り組むピッチであっても――、膨大な時間がかかり、悲しいことに無駄な作業になることもあります」と同氏。それならば「ピッチの早い段階で強固な関係性を築き、パートナーシップを成功させるための基盤づくりを目指そう」と考えたという。
ギャラリー氏はさらに、他のエージェンシーにも同様に、ピッチの簡素化に取り組んでもらいたいと語る。なお、日本は他国と比べても競合のピッチが多く、これが広告業界における長時間労働やバーンアウトの要因になっていることがかつて指摘されていた。
テクノロジーやラグジュアリーのブランド資産価値が上昇 カンター調べ
カンター(Kantar)が毎年発表しているブランド資産価値調査「ブランドZ」によると、コロナ禍からの回復基調の中で大きく成長した業界は、消費者向けテクノロジー(前年比+46%)、ラグジュアリー(同+45%)、金融(同+30%)だった。トップ100ブランドのブランド総資産価値は8.7兆米ドルに達し、1年間で23%増加している。
昨年最もブランド価値が高かったのはアマゾンだったが、今年首位に躍り出たのはアップル(ブランド価値9,471億米ドル、前年比+55%)。2位はグーグル(8,196億米ドル、+79%)、3位はアマゾン(7,056億米ドル、+3%)だった。また、ラグジュアリーブランドとしては初めてルイ・ヴィトン(10位、+64%)がトップ10ブランドにランクインした。
ゲレティ・アワード、ショートリストを発表
女性の視点を反映した広告を表彰するゲレティ・アワードがショートリスト(最終候補者)を発表した。今年は37カ国から314エントリーがあった。ショートリストに残ったアジア太平洋地域の作品は35点で、その内訳はインドが9点、豪州、日本、フィリピンがそれぞれ6点ずつだった。
現在さまざまな国の審査員によるパネルトークがユーチューブで公開されている。日本の4名の審査員によるパネルトーク(英語)も16日に開催された。
テムズ川に浮かぶバスケットボールコート
全米プロバスケットボール協会(NBA)の創立75周年と2022シーズンファイナルを記念して、コニャックブランド「ヘネシー(Hennessy)」とNBAはロンドンのテムズ川にバスケットボールコートを設置した。このバスケットボールコートは川に浮かんでおり、3日間かけてウーリッチからウエストミンスターまで移動する。オープニングセレモニーにはNBAファンでもあるAJトレイシー(ラッパー)が招かれた。
【お知らせ】
Campaign Asia-Pacific主催「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」のエントリー受付を開始いたしました。早期エントリーの締切日は2022年8月11日(木)、通常エントリーの締切日は9月15日(木)です。詳しくはこちら(英語)をご確認ください。
(文:田崎亮子)