アマゾン、広告界の一大勢力に
アマゾンは、広告収入も含めたウェブサービスの業績が2017年に43%伸び、175億米ドル(約1兆9千億円)になったと発表した。同社の広告ビジネスは2018年には100億ドルを突破すると予想されている。それでもグーグルの広告収入の10分の1に満たず、フェイスブックと比べても5分の1だが、ツイッターとスナップチャットの合計を上回る。一方、ユーチューブの広告収入は17%伸びて90億ドルとなり、ブランドの安全性の問題は影響がないことを示した。
エージェンシー、新規ビジネスで苦戦
広告代理店とクライアントを取り持つコンサルティング会社「R3」によると、クリエイティブ、デジタル、メディアエージェンシーの2017年の新規ビジネスによる収益総額は、2016年に比べ10%減少したという。「仕事の内容が次第に細分化されている」とも付記。最も打撃を被ったのはクリエイティブエージェンシーで、減少率は17%。逆にメディアエージェンシーは新規ビジネス獲得数が24%減ったにもかかわらず、5.4%の増加だった。
中国ブランドは依然、日本で人気薄
リサーチエージェンシー「カンター・ミルワード・ブラウン」が英・米・仏・独・豪・西・日の7カ国で実施した消費者調査によると、中国ブランドに対して最も否定的な反応を示したのは日本だった。日本では66%が中国ブランドと知った時点で「購入意欲が弱まる」と回答。逆に中国ブランドに対し最もオープンだったのは英国で、否定的反応は28%。最も知名度の高い中国ブランドは、レノボ、ファーウェイ、アリババの3社だった。
マッキャン、ハラスメントの告発を奨励
今週、マッキャン・ワールドグループは米国の従業員に対し、社内での懸念や不適切な行為は即座に上層部に報告するか、匿名で相談できるホットラインを利用するよう促す通達を出した。文化性を考慮すると、こうした措置はアジアの広告代理店にこそ有用だろう。アジアの多くの国々では、仕事に対する不満を声に上げる傾向が弱いからだ。昨年12月にはWPPのホットラインに寄せられた情報をもとに、AKQAのインターナショナルクリエイティブディレクター、デュアン・エバンス氏が辞任に追い込まれている。
ペプシコは女性消費者の理解を
ペプシコが強い非難にさらされている。同社のチップス・ブランド「ドリトス」で、パン粉が少なく歯ごたえが柔らかい、食べるときにあまり音を立てない「女性向け商品の発売を考案中」とCEOが発言したからだ。原則的には悪いアイデアに聞こえないが、「女性には特別なスナックが必要」と公言することは馬鹿げている。この一件から得られる教訓は、至ってシンプル。イノベーションは常に歓迎されるが、性に基づいてどのように振る舞うべきか提言することは、決して受け入れられないのだ。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)