Ryoko Tasaki
2021年3月19日

おしゃれな店舗が問題提起する、現代版の奴隷制度

ポップアップストアに並べられている商品のパッケージに記されているのは、搾取されてきた被害者のストーリーだ。

豪シドニーの街中に突如として現れたポップアップストア「ヒューマンマート」は、一見すると美しく包装された食品店のよう。だがパッケージに書かれているのは、過酷な人生を強いられた70名の名前と、彼らのストーリー、「人間は売買されるべきではない」という文言など。店舗入り口には「非倫理的に調達された」とある。

パッケージ裏のデータによると、豪州では今も約15,000人が弱い立場に置かれ、何らかの搾取をされており、その内訳は強制結婚(30%)、人身売買(23%)、強制労働(17%)など。

この店舗は、強制労働や人身取引など現代版の奴隷制度に反対する団体「Anti-Slavery Australia」がこの問題の認知度を高めるため出店したもの。制作はコーヒー、ココア、ガンパウダー(Coffee Cocoa Gunpowder)とザ・グルー・ソサエティ(The Glue Society)。

(文:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

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