香港の旧啓徳空港が開港してから、今年1月で100年になる。1998年7月に閉鎖されたこの空港は高層ビル群から近く、「香港カーブ」と呼ばれる高度700フィートで47度の急旋回が必要な、アプローチが非常に難しい空港として知られていた。跡地には啓徳体育園(スタジアム)が建てられた。
そして3月30日にキャセイパシフィック航空が開港100周年を記念して、香港上空を低空飛行した。現香港国際空港を離陸した特別機はビクトリア・ハーバーやスタジアム付近を飛び、名物の「香港カーブ」を彷彿とさせる急旋回も再現。スタジアムでは7人制ラグビーの大会「香港セブンズ」が開催されており、飛行の様子が巨大スクリーンに映し出された。
「キャセイパシフィック航空の旅客機が啓徳空港に離着陸していたことは、誰もが覚えています。その懐かしさをイベントに昇華し、スタジアムで初めて開催されるセブンズのことが世界中で語られる機会を作りました」と、同社のブランド・インサイト・マーケティング・コミュニケーション担当ジェネラルマネージャーのエドワード・ベル氏は語る。
ピュブリシス・グループ香港のチーフ・クリエイティブ・オフィサー、クリストファー・リー氏は「啓徳空港を飛行機が通過するライブパフォーマンスの制作は、大胆な試みのように思えました」と振り返る。「今年の決勝戦を訪れたすべての人々の記憶に、何年にもわたって残るような体験を企画するため尽力しました」。
(文:田崎亮子)