CampaignでCMを取り上げる際には通常、作品のあらゆるバリエーションを見るようにしている。だがこの作品は、そんなことは到底できそうにない。
同社サイト上で中古車販売情報を掲載する全ての売り手が、「高級感の漂うユニークな自動車CM」を制作して掲載できるようにしたのだ。
この「AutoAds」キャンペーンを開発したのは、CHEプロキシミティ(本拠地:メルボルン)だ。数百本の動画や数千本のナレーションをあらかじめ用意し、これと売り手が投稿した情報や写真を巧みに組み合わせることで映像を制作するというもの。組み合わせ方を変えることで、理論上は1.2兆通りものバリエーションを作ることが可能なのだと、同社担当者は話す。
売り手には「アドベンチャー」「家族」「タフ」「ラグジュアリー」「都会」のテーマの中から、5本の40秒CMが届く。この中から好きなものを選び、フェイスブックに掲載することができるという仕組みだ。
以下に、いくつかのサンプル作品をご紹介する。
Campaignの視点:
制作されたCMは単に「かろうじて鑑賞に堪える」といったレベルでなく、見ていて楽しい作品に仕上がっており、感銘を受けた。クリエイティブ領域で人工知能の技術をどのように活用できるかを、証明した取り組みといえるだろう。
(翻訳・編集:田崎亮子)