長年、多くの大手広告代理店が「統合」を目標に掲げているが、デジタルを業務の中心に据えることにはいまだ四苦八苦する。マッキャンによれば、モメジャ氏は同社の「ビジネスの変革とデジタル化」を牽引していくという。
具体的には、何を行うのか。「簡単に言うなら、デジタルとソーシャルメディア、データをプランニング・プロセスに統合することです」と同氏。
これまで同社では、必ずしもそれらの要素が機能的にリンクしていなかった。クライアントに最適なソリューションを提供するため、デジタル化を「より加速させていきます」。
それは、消費者が日常的に使うデジタルチャンネル上でブランドとより密接につながっていくことも意味する。この点で大きな伸びしろがあるのは「ヘルスケアとB2Bマーケティングの分野」だという。
同氏は最近まで、「フライシュマン・ヒラード」社のアジアパシフィック地域デジタルエンゲージメント担当マネージングディレクターとして、同様にPRの責務を担っていた。マッキャンでは日本の国内市場に力を入れるが、海外展開を目論む日本企業のサポートも担当する。
日本ではデジタル・プラットフォームの利用が急速に進んでおり、「2019年のラグビー・ワールドカップや2020年の東京オリンピック・パラリンピックといったスポーツイベントを契機に、各企業がより強力なデジタル戦略を打ち出して、消費者とのつながりを強めていくでしょう。デジタルコマースはますます活性化していきます」。
また、日本という市場には「二つの極端な要素がある」とも述べる。昔ながらの伝統が息づく反面、高度に革新的な側面も特徴的だ。
「これまで改革に乗り遅れた企業は、この2〜4年で巻き返しを図るでしょう。いくつかの企業が変革を加速させれば、他の企業もそれについて行くはずです」
シンガポールから東京に移って来たモメジャ氏。2001年から2007年の間も東京に駐在したことがあり、この時には「テキーラ・ジャパン」の創設に携わっている。
(編集:水野龍哉)