マーケターのAIスキル向上を支援する組織、ヒューマンドリブンAIの調査レポートによると、米国マーケターの半数以上が、生成AIを毎日使用しているという。
レポート『生成AIの採用に関するマーケティングリーダーシップの展望』は、米国のマーケティング専門家1,100人を対象とした調査に基づいている。このレポートでは、生成AIに対する彼らの態度や考え方について概要を提示しており、最も普及しているツールや倫理的課題に関する見通しから、生成AIが雇用や能力開発に及ぼす影響まで、さまざまなトピックを網羅している。
調査によると、米国のマーケターの半数以上(56%)が、生成AIツールを毎日使用しており、最も一般的な用途はコピーライティングだという。また、マーケターの3分の1(37%)が、ChatGPT、Claude、Bardなどのプラットフォームを定期的に使用していると回答しており、10人に6人以上(62%)が、文章の校正や簡潔化のために生成AIツールを利用していると答えている。
一方で、DALL-EやMidjourneyといった画像生成プロダクトを利用していると回答した人も22%存在した。その他の一般的な利用例としては、プレゼンテーション資料の作成(16%)、データ分析(12%)、生成AIを用いた動画編集(9.4%)、キーワードの選定や検索エンジン最適化(9%)などが挙げられていた。
マーケターらの一般的な感想は、生成AIは効率性の向上や、パーソナライゼーションの促進に役立つというものだった。レポートによれば、マーケターの4分の3以上が、生成AIはタスクの自動化に使用できると考えており、70%が生成AIのおかげで、クライアントやパートナーとの関係構築により多くの時間を費やすことができるようになったと述べている。
生成AIを定期的に利用するマーケターが増加する一方、生成AIに対する考えや感情は年齢層によって分かれる傾向があった。Z世代(1990年代半ば以降に生まれた世代) の48%と、ミレニアル世代(1980年代~2000年代初頭に生まれた世代) の39%が、生成AIを楽観的に考えていると回答した一方、45才から60才では24%、60才以上では8%しか、楽観的だと回答していない。
多くの回答者が、生成AI技術に深刻な懸念も表明している。マーケターの10人に7人以上(72%)が、生成AIが正しい情報を提供しているか疑念を抱いており、63%が、著作権侵害のリスクを心配していた。また46%は、AIによる仕事の喪失を懸念していると回答している。