Shuchi Sethi
2020年11月13日

インフルエンサーキャンペーンの効果測定に役立つ4つのヒント

Casting Asiaのインド法人代表は、インフルエンサーキャンペーンの目的とキャンペーンのKPIを合致させることで、明確かつ具体的な基準で成果を測定することが可能だと語る。

インフルエンサーキャンペーンの効果測定に役立つ4つのヒント

インフルエンサーマーケティングはしばしば、デジタルマーケティングにおける「次の目玉(big thing)」だと言われる。実際、インドのトップインフルエンサーが3000万人超のフォロワーを抱えるなど、生のエンゲージメント数字を見れば、投資対効果は明らかである。しかし、インフルエンサーマーケティングキャンペーンはある理由から失敗してしまうことも多い。その理由とは、ブランドがインフルエンサーキャンペーンの成果を正確に評価するためのKPIと、ソーシャルメディアのエンゲージメントに関する数字を混同してしまいがちだという事だ。そこで今回は、マーケターがインフルエンサーキャンペーンを測定し、具体的な目標に向けて取り組むために必要なステップを見ていこう。

「いいね」や「シェア」の数が注目すべきKPIとは限らない

ソーシャルメディアのエンゲージメントに関する数字は、月次レポートでは確かに見栄えはするが、インフルエンサーマーケティングの成功を測る際、全体像を把握しているわけではない。インフルエンサー、特にフォロワー数が6~7桁に達するインフルエンサーは、ありふれた投稿でも数千のエンゲージメントを保証してくれる。しかし、そうした「いいね」や「シェア」、「コメント」のうち、どれくらいの数が優良なリード(見込み客)や商品購入者につながっているのかはそれほど明確ではない。むしろ注目すべきは、別のプラットフォームでブランドに言及しているかどうか、ブランドサイトを訪問したかどうか、インフルエンサーのオファーリンクをクリックしたかどうかなど、こうしたKPIの方が、ソーシャルメディアのエンゲージメントがどれくらい収益に直接影響を与え、どれくらい目的達成を可能にしてくれるかがはるかによくわかる。

ソーシャルメディアのエンゲージメントの数値は、マーケティング全体の目標という文脈で取り入れる必要がある。インフルエンサーマーケティングでは生のコンバージョン数を追跡するのは難しいかもしれないが、エンゲージした人がブランドに言及した数やブランドを想起した数などの観点から成功の度合いを評価することができる。これらと一緒に売上やブランド認知の目標を追跡することにより、ブランドはインフルエンサーマーケティングで何が起きているかをより明確に把握することができるのだ。

マイクロインフルエンサーが大きな役割を果たすことも

ファッション界では、インスタグラムをリードしている有名インフルエンサーに比べると、フォロワー数1500人程度のマイクロインフルエンサーの知名度はごくわずかだ。マイクロインフルエンサーと契約した場合、予想を下回るエンゲージメント率に失望したとしても不思議ではない。その場合、きっとこんな風に考えるのだろう。「いいね」を200ほど余分に得るためだけに、インフルエンサーに投資する意味などあるのだろうか、と。

確かに、全体的なエンゲージメント率は低いかもしれないが、マイクロインフルエンサーはフォロワーとはるかに距離が近く、日常的にフォロワーと関わり合う傾向にある。多くのケースでは、マイクロインフルエンサーのフォロワーは身近な仲間で構成され、個人的な信頼関係を築いている。フォロワー数が膨大なインフルエンサーはそうした関係を扱いきれない。150ドルのマイクロインフルエンサーキャンペーン(あるいは、商品を提供する無報酬のキャンペーン)を行い、2000人にリーチし、コンバージョン率が15%だった場合、有名インフルエンサーを起用した1500ドルのキャンペーンで、1万8000人にリーチし、コンバージョン率1.4%だった場合よりはるかにコスト効率が高くなる。

リファラルトラフィックの追跡

インフルエンサープロモーションの効果を具体的に測定する優れた方法は、リファラルトラフィックを介することだ。インフルエンサーに共有可能なリファラルリンクを提供しよう。行動を促すため、リンクに値引きなどの特別オファーを埋め込んでもいい。インフルエンサーごとに異なるリンクを割り当てて追跡することで、インバウンドトラフィックの割合を追跡できる。リファラルトラフィックを多角的に見ることは理にかなっている。第1の視点は、特定期間の売上目標の何%がリファラルリンク経由のリードによって達成されたか。第2は、特定インフルエンサーのオーディエンスの何%がリファラルリンクのある投稿にアクションを起こしたかだ。

キャンペーンの目的に沿ったROIを定義する

インフルエンサーに投資するということは、特定の成果に向けて投資するということである。しかし、それは必ずしも売上に結びつくとは限らず、ソーシャルメディアのエンゲージメントにつながるとも限らない。インフルエンサーキャンペーンの予算を組む際は、まず目的を明確化し、それからROIを得るためのKPIを定義すべきだ。もし売上を重視するのであれば、リファラルトラフィックとキャンペーン前後の売上高の変化を成果の測定に利用できる。一方、ブランド想起やブランド認知が目的であれば、ソーシャルメディアのエンゲージメント数に注目すべきだ。この場合、「いいね」や「コメント」、「シェア」がKPIになる。インフルエンサーキャンペーンの成果を測定するときも目標を念頭に置き、目標達成にどれだけ近づいているかという観点から測定しよう。

まとめ

ブランドがインフルエンサーマーケティングを嫌う傾向が続いているのは、影響が抽象的で、測定が難しいという印象のせいだ。しかし、KPIをキャンペーンの目的と一致させることによって、成果を明確かつ具体的な基準で測定することが可能になるだろう。


シュチ・セティ(Shuchi Sethi)氏はインフルエンサープラットフォーム、Casting Asiaのインド法人代表。

提供:
Campaign; 翻訳・編集:

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