東京にあるゲーム業界専門のクリエイティブエージェンシー「プレイブレーン」が、ゲーマー同士で戦略やアイデアを討論したり、独自のゲーム関連コンテンツを作ったりできるオンラインプラットフォーム「DEKKI(デッキ)」を立ち上げた。現在はベータ版で、日本語と英語に対応。ブランドに向けても、通常の広告より控え目な手法でゲーマーにリーチできるサービスを提供していく。
「ゲーマーのコミュニティでは、コンテンツを遮るような広告や次々と表示されるバナー広告に皆がうんざりしているのです」。プレイブレーンの創業者兼CEOであるマイケル・シタール氏は、DEKKIの主たるコンセプトをこう語る。
「ですからユーザーにとって、広告主は体験の可能性を広げてくれる存在というより、むしろ目障りで鬱陶しいものになってしまった。こうした迷惑な広告は将来的になくなっていく、と私は確信しています。現にNetflix(ネットフリックス)やTwitch(ツイッチ)など、広告が表示されないプラットフォームが台頭してきていますから」。DEKKIにおけるブランドの関わり方は、コンテンツやインフルエンサーへのスポンサーシップが中心となる。
「DEKKIはまだ、ソーシャルコンテンツサイトとして多くの人々が参加できる段階ではありません」とシタール氏。その代わり、広告主がユーザー体験を損ねるのではなく、向上させていく「摩擦の起きないコンテンツプラットフォーム」を目指す。近々最初のブランドが登場するというが、その具体名はまだ明かさなかった。
DEKKI上のコミュニティは現在、「ハースストーン」が中心。今後はより多くのゲームコミュニティを立ち上げていく予定だ。ツイッチとユーチューブのチャンネルも展開しており、ユーザーがコンテンツを作成・編集できるエディター機能はウェブアプリケーションの「Medium(ミディアム)」にも相通じる。シタール氏曰く、「クラウドを利用することで、運用コストを抑えながら迅速化と規模拡大が可能なプラットフォームになりました」。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳:鎌田文子 編集:水野龍哉)