マレンロウ・グループが、2005年に創設したマレンロウ・プロフェーロ東京を基盤に再スタートを切った。
新しいネットワークは3ブランドから構成。マレンロウ・プロフェーロは存続していくが、ユーザー体験主導型のデジタルビジネスやデジタルトランスフォーメーションのエージェンシーに。マレンロウ東京はクリエイティブエージェンシー、マレンロウ・メディアハブはメディアエージェンシーとなる。
マレンロウ・プロフェーロの東京代表を務めていたジェームス・ホロー氏が、CEOとしてグループを統率。同氏は日本・韓国担当のコマーシャルディレクターであるウォン・ソンゴン氏、日本でメディアソリューションを取り仕切る柳惣一郎氏らのサポートを受け、韓国市場の責任者も務めていく。この組織改編は、中国やロンドン、ニューヨークにおける同社のサービス統合と歩調を合わせたもの。
「ブランドの間で、プログラマティックメディアやデータを重視したデジタルマーケティングへの関心が高まっています。エージェンシーのネットワークにとっては大きなビジネスチャンス。向こう5年間で、日本はプログラマティックが主流になるでしょう」とホロー氏。
プログラマティックの技術に対するマーケターたちの理解不足を考えれば、この予測はやや大胆に聞こえるかもしれない。だが同氏は、日本がじきに節目を迎え、マーケティング活動により厳密さが求められるようになり、企業は「世界標準」に追いつくためのプレッシャーが増すと指摘する。「(新しいテクノロジーへの適応に)日本は消極的になりがち。ですから今後、大幅な修正が必要になってくるでしょう」。
プログラマティックは現在、ブランドの安全性の確保が世界的な課題だ。だが日本では、まだそれほど大きな懸念材料にはなっていない。「ブランドが、まだプログラマティックに関する経験が少ないのが原因です」と同氏。それでも、「近いうちに重要課題となり、クライアントは安全なソリューションを提供するトゥールを求めるようになるでしょう」。
この改編で、インターパブリック・グループ(IPG)の一員であるマレンロウ・グループはスタンダード通信社との15年間にわたる合弁事業を終了。スタンダード通信社は引き続き、独立したエージェンシーとして業務を行っていく。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)