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アップル独自のAIがChatGTPと連携 プライバシー重視を強調
アップルが年次開発者会議で、同社独自のAI「アップル・インテリジェンス(Apple Intelligence)」を発表した。AIが文章を理解して生成や要約、優先度に応じたメッセージ通知などが可能になる。プロンプトによる画像やオリジナル絵文字の作成、写真検索といった便利な機能の他、音声アシスタント「Siri」が端末内のデータや文脈を理解し、より複雑なアクションができるようになる。
同社はこれらの機能を端末上で処理し、必要があればアップル社のサーバーを併用することで、ユーザーのプライバシーを重視している点を強調し、他社との差別化を図った。
また、OSにオープンAI(OpenAI)の対話型AI「ChatGPT」を搭載したことも併せて発表された。ChatGPTのアカウントを作成しなくても無料で利用でき、SiriがChatGPTにアクセスする際にはユーザーに許可を求める。
世界の広告費成長率は5.0%と予測 電通グループ調べ
電通グループが「世界の広告費成長率予測」の改訂版を発表した。2024年の世界の広告費成長率は5.0%、市場規模は7,544億米ドル(約117兆円)となる見通し。主要市場(米国、英国、ドイツ、フランス、日本)の広告費支出の見通しが改善したことや、大型スポーツイベントの開催、多くの国で国政選挙が行われることが、プラス成長に貢献。世界第3位の広告市場である日本は、3.1%の成長を見込んでいる。
媒体別では、デジタル広告が全体の広告費の59.6%を占めており、特にリテールメディア(32.0%増)、ペイドソーシャル(13.7%増)、プログラマティック(10.9%増)、ペイドサーチ(7.7%増)が高い成長率となる見込み。テレビ広告は2.6%増で、全体の広告費の22.5%を占める。新聞・雑誌は2.6%減、OOHは4.2%増、オーディオは0.4%増、シネマは4.8%増という予測だ。
グレイの日本法人CEOに岡咲氏、APAC担当CEOにトロンベッタ氏
グレイグループの日本法人、グレイワールドワイドのCEOを2018年から務めた落合由紀子氏が退き、後任に岡咲匡彦氏が昇進した。岡咲氏は2022年にTBWA HAKUHODOから同社に最高ビジネス責任者として入社し、昨年7月から最高執行責任者(COO)を務めた。
グレイのグローバルCOO兼インターナショナルプレジデントを務めたナーヴィック・シン氏も退く。リージョナルCEOの役職が復活し、サラ・トロンベッタ氏がアジア太平洋地域担当CEOに就く。グローバルCEOのローラ・マネス氏はアジア太平洋地域を「成長優先」の市場と位置付け、リージョナル経営に力を入れる。
トロンベッタ氏は2016年からグレイの香港法人でCEOを務めた後、2019年に豪ハヴァス・レッド(Havas Red)に就任。2021年11月からはWPPでP&G担当の最高クライアント責任者を務めており、APAC担当CEO就任後も引き続き担当していく。
BtoB企業、AIによるコンテンツ制作に慎重 カスタムメディア調べ
国内BtoB企業がコンテンツマーケティングで注目を集めてエンゲージメントを構築する上で、ストーリーテリングが「非常に重要」(37%)あるいは「ある程度重要」(58%)ととらえられている。カスタムメディア(Custom Media)が日本のBtoB企業を対象に実施した調査で明らかになった。
ストーリーテリングの方法として選ばれるのは「商品・サービスのケーススタディー」(58.5%)、「顧客の成功事例」(56.1%)、「ナラティブなブログや記事」(48.8%)など。一方、課題としては「オーディエンスへの効果的なリーチの担保」(50.0%)、「ストーリーテリングの効果測定」(45.2%)、「コンテンツ制作の維持」(45.2%)などが挙げられていた。
コンテンツの配信チャネルとしては「企業サイト/ブログ」(90.2%)、「ソーシャルメディア」(80.5%)、「電子メールのニュースレター」(78.0%)などが選ばれている。多様なチャネルでの配信には「コンテンツの量増加と質の維持」(58.3%)、「時間的な制約やリソースの効果的な管理」(58.3%)、「フォーマットやチャネル間での一貫性の確保」(37.5%)といった課題を抱えていると回答した。
回答者の94.2%が、生成AIはコンテンツ制作にプラスの影響を与えると考えている。しかし52%が生成AIをまだ使っておらず、29%が試験的に導入している段階だった。
(文:田崎亮子)