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今年3度目の人員削減 第3四半期の業績は好調
音楽配信サービス大手のスポティファイ(Spotify)は、従業員の17%を削減すると発表した。同社の業績発表によると9月末時点の従業員数は9,241人だったため、約1,500人が解雇されることとなる。影響を受ける部門や役職、地域などは明らかにされていない。同社では今年に入ってから、すでに1月(600人)と6月(200人)に人員削減を実施している。
第3四半期の売上高は前年同期比で11%増、月間アクティブユーザー数も同26%増だったため、ダニエル・エクCEOは社内宛ての書簡(後にブログで公開)に「好調な決算報告や業績を鑑みると、驚くほど大規模な人員削減だと思われるでしょう」とコメント。「2024年から2025年にかけて小規模な削減を行うことも議論しましたが、財務目標と現在の運営コストのギャップを考慮し、コストの適正化に向けた措置を講じることが、目標を達成するための最良の選択だと判断しました」。
「COP28のUAE開催はグリーンウォッシュの恩恵」 米団体
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで、COP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)が12月12日まで開催されている。しかし、広告やPRのエージェンシーによるグリーンウォッシングがなければ、UAEはCOP28を開催できなかっただろうと、広告界などの有志による「クリーン・クリエイティブス(Clean Creatives)」は主張する。同団体が発表したレポートによると、COP28のプロモーションに携わるエージェンシーのうち18社が、化石燃料企業の仕事も請け負っていたとし、その企業名を公表した。
クリーン・クリエイティブスはまた、UAEでの開催は同国が再生可能エネルギー市場を牽引するリーダーとしてアピールするコミュニケーション戦略の一環だと指摘する。同国は2006年に再生可能エネルギー企業を立ち上げ、翌2007年にはエデルマン(Edelman)と契約し、ゼロカーボンの人工都市「マスダール・シティ」のプロモーションや、米マサチューセッツ工科大学の協力を得たマスダール科学技術研究所(MIST)の設立、各国の要人との会合などを実現。同国はその後も、キャンペーンに数百万米ドルを費やし、2009年に国際再生可能エネルギー機関(IRENA)本部の誘致に成功。その後さまざまなエージェンシーが、気候変動に関するUAEの政治的影響力の強化を支援し、その集大成がCOP28というわけだ。
COP28の議長を務めるのは、アブダビ国営石油会社(ADNOC)のCEOを兼務するスルタン・アル・ジャベル氏。英BBCは、UAEがCOP28を利用して15カ国と化石燃料の取引について協議する計画だったと報じ、議長はこの疑惑を否定している。
ひとりに対する価値観が大きく変化 博報堂生活総合研究所調べ
博報堂生活総合研究所の「ひとり意識・行動調査」によると、ひとりを志向する生活者が大幅に増加している。「ひとりでいる方が好きだ」と回答した人は、1993年の調査時は43.5%だったが、2023年には56.3%と半数を超えた。
「意識してひとりの時間を作っている」は27.3%(1993年)→49.1%(2023年)、「ひとりで没頭できる趣味を持っている」は58.1%→74.8%、「趣味・遊びは、みんなよりひとりでやる方が好きだ」は31.9%→44.2%と、ここ30年間でひとりの時間を大切にする傾向が高まっている。
ひとりで行きたい場所として「喫茶店・カフェ」20.0%→53.4%、「ファストフード」20.9%→46.7%などが2倍以上に増加。また、喫茶店・カフェにひとりでいて辛くない時間(待ち合わせ以外)として、120分以上と回答した人も7.2%→42.7%と大幅に増えている。
不快なスクリーンセーバーが地球を救う?
英国に本拠を置くエージェンシー「TheOr」はCOP28開催に合わせ、「地球を救うスクリーンセーバー」を制作した。PCを使用していないときはスクリーンの電源を切るよう促すもので、スクリーンセーバーによく用いられるような美しい景色の写真ではない。側溝に捨てられたPETボトル、ロバの親子の死体、よだれを垂らす男性、取り壊し中の建物など、目をそむけたくなるような写真ばかりだ。
制作に携わったシニアクリエイティブのエイミー・フェイシー氏とジェイコブ・ヘルストロム氏は「世界中の問題が際限なく増えていき、気候変動はあまりにも圧倒的で手の届かないもののように感じられることがあります。これらの問題について、世界各国の政府がCOP28で議論しますが、大きな変化をもたらすために、私たち一般の人々にできる小さなことがあります」とコメント。このスクリーンセーバーを目にすることで、ノートPCを閉じてエネルギーを少し節約し、気候変動に寄与することを思い出してもらえれば、と語った。
クリック一つですべて失う、サイバー犯罪の怖さ
仕事から疲れて帰ってきた男性が、フィッシングメールのURLをクリックしてしまう。すると突然、窓の鍵が閉まり、部屋の中はガタガタと動き出す。キャビネットのファイルや、金庫の貴重品が飛び出し、預金口座の残高がみるみる減っていく――。心霊現象のような恐怖感があるが、これはオンライン詐欺の恐怖を訴求するシンガポールのサイバーセキュリティ庁の動画だ。企画・制作はオグルヴィ・シンガポール。
このキャンペーンは動画の他にも屋外広告、交通広告、ソーシャルメディア、体験型イベントなどを展開しており、2025年3月まで継続予定だ。
(文:田崎亮子)