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「フェイスブックは安全よりも利益を優先」 元社員が内部告発
フェイスブックは子どもの安全よりも利益を優先し、分断を助長している――元社員であるフランシス・ハウゲン氏の内部告発がウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やCBSニュースにて報じられた。同氏は今年5月にフェイスブックを去る前に、数万ページもの内部調査を集めたという。10月5日には米議会の公聴会でも証言している。
WSJがまとめたレポートには、著名人がルール違反をしても処分されないことや、10代のユーザーのメンタルヘルスに悪影響を及ぼしていること、エンゲージメントが高いコンテンツを優先的に提供するようアルゴリズムを変更したが、怒りを煽るコンテンツほどサイト滞在時間が長くなる傾向があることなどが記されている。
ハウゲン氏の証言について、フェイスブックのポリシーコミュニケーション担当ディレクターであるレナ・ピーチ氏は「コミュニティーを守ることは、我々の利益よりも大切」と反論。「我々がフィードバックを見ないふりをしているという発言は、安全・安心の確保に取り組む4万人の存在や、2016年から130億米ドルを投じてきたことを無視したものです」
ユーチューブ、ワクチンの誤情報禁止をCOVID-19以外にも適用
ユーチューブは新型コロナウイルス以外のワクチンについても、誤情報を発信する動画を禁止すると先週発表した。違反した動画は削除の対象となる。公式ブログによると、「新型コロナウイルス感染症ワクチンに関する誤った主張は、ワクチン全般に関する誤情報へと波及してきています。そうした状況を踏まえ、新型コロナウイルス感染症に対するユーチューブの対策をその他のワクチンにも適用することがこれまで以上に重要になっています」。同社はこれまでにも有害な治療法を奨励する動画を削除してきた。昨年はCOVID-19の誤情報に関するポリシーを策定している。
ピンタレスト、ショッピング機能を強化
ピンタレストが、ショッピング機能を強化中だ。4月にショッピファイとの提携を発表した同社が10月6日に発表したのは、コレクション広告のスライドショー自動作成、アイデアピンのフォーマットに基づいた広告主とクリエイターのパートナーシップ、そして広告主ブランドがプロフィール欄で「エコフレンドリー」「インクルーシブ」「女性オーナー」などとアピールできる機能。また、ピンタレストならではのショッピング体験を訴求する動画も公開した。
インサイダー・インテリジェンスの調査によると、米国の消費者の36%が今年、ソーシャルコマースで一つ以上の商品を購入するという。インスタグラムやTikTokなどプラットフォーム各社は、ソーシャルコマース機能を相次いで導入している。
必要な情報に、誰でも支障なくたどり着ける配慮を
観光客に道を案内し、ベーグルのカロリーを教えて「人を助けるのが好き」と語る女性は、スーザン・ベネット氏。アップルの音声アシスタント機能「Siri」の米国版の声を担当していたため、聞き覚えのある声だと感じた方も多いのではないだろうか。音声でさまざまな人を助けてきた同氏だが「それでも私が助けられない人は10億人います。障害を持つ人々です」と続ける。
これは、ウェブサイトのアクセシビリティー向上(障害を持つ人が支障なく利用できるよう配慮すること)を支援するユーザーウェイ社のキャンペーン動画だ。WCAG(ウェブ・コンテンツ・アクセシビリティ・ガイド)やADA(障害を持つアメリカ人法)に則ったサイト作りが容易に実現できると訴求する。米国ではサイトのアクセシビリティー関連で訴訟に発展した事例が出てきている。
日本でも、誰もが必要とする情報に支障なくたどり着けることを目指した「やさしい日本語」の、普及と活用に政府が力を入れている。やさしい日本語とは、海外にルーツがあるなど日本語でのコミュニケーションに壁がある人にも伝わりやすい表現のこと。阪神・淡路大震災をきっかけに研究が始まり、緊急時の減災に役立つことが期待される。
このやさしい日本語の普及啓発を目指し、電通の社内ラボ「電通ダイバーシティラボ」は明治大学国際日本学部と協力し、ラップミュージックの動画「やさしい せかい」を制作した。瞳の「キラキラ」と目つきの「ギラギラ」の違いや、自動詞と他動詞の使い分け、病院で親の症状の説明を子どもに頼ることなど、日常生活で直面しがちなコミュニケーションの難しさが歌詞に盛り込まれている。
(文:田崎亮子)