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ツイッター新CEOに、NBCUのヤッカリーノ氏
イーロン・マスク氏は先週、ツイッターの新CEOとしてリンダ・ヤッカリーノ氏を迎えるとツイートした。ヤッカリーノ氏は米メディア大手NBCユニバーサル(NBCU)でグローバル広告&パートナーシップ担当チェアマンを務め、動画配信サービス「ピーコック」の立ち上げに携わった。昨年のアップフロント(テレビ広告の年間契約期間)の契約は過去最高を記録している。
マスク氏が昨年秋に買収して以降、ツイッターの上位広告主1000社のうち625社が出稿を停止したと報じられており、ヤッカリーノ氏の就任で広告事業の強化が期待される。
ヤッカリーノ氏のツイッターCEO就任が発表される直前、NBCUはヤッカリーノ氏が即時退職し、暫定的にマーク・マーシャル氏(広告販売&顧客パートナーシップ担当プレジデント)が就くと声明で発表した。来年にかけてのアップフロントのプレゼンテーションが、今週月曜に開催されるというタイミングでの突然の交代劇となった。
また4月下旬にはNBCUのジェフ・シェルCEO(当時)が、従業員との不適切な関係を認めて辞任。業界内ではヤッカリーノ氏が後任の有力候補とみられていたが、親会社コムキャストのマイク・カバナ会長が引き継ぐことが明らかになった。
ヴァイス・メディアが破産を申請
米国の新興メディア「ヴァイス・メディア(Vice Media)が連邦破産法を申請し、経営破綻した。同社は4月にニュース担当の社員100名以上を解雇しており、債権者であるフォートレス・インベストメントやソロス・ファンドなど投資ファンドに資産が売却される予定で、条件によっては売却先が変わる可能性もある。売却手続き中も事業を継続できるよう、債権者からの融資も受けた。4月末にはバズフィード(BuzzFeed)がニュース部門の閉鎖を発表するなど、新興メディアの苦戦が続く。
ヴァイス・メディアの経営不振の原因の一つに、広告収入の減少が挙げられる。ドラッグやパーティーカルチャーなどの話題も取り上げるヴァイス・メディアは、コンテンツブロックや最適化AIの「被害者」だと、あるメディアエージェンシーの投資担当者は述べる。「ニュアンスや、コンテンツとオーディエンスの関係性を理解しないコンテンツブロックが、彼らに計り知れない損害を与えています。広告主にとってブランドセーフティーの重要性が高まり、このニーズを満たすソリューションをプログラマティック分野が提供したことで、あらゆるニュースブランドが苦しんでいます」。
SNS投稿に最適な時間帯は? スプラウト・ソーシャル調べ
SNS運用ツールを展開するスプラウト・ソーシャル社の調査によると、ソーシャルメディアへの投稿に最適な時間帯は火~木曜日の午前9時から正午で、最悪なのは日曜日だという。世界中のマーケターが最も使っているプラットフォームはフェイスブックで、9割が戦略の一環として活用。フェイスブックの投稿に最適なのは月~木曜日の午前8時から午後1時。ティックトックは火~木曜日の午後2~6時、ツイッターは火~金曜の9時から正午だった。
昨年の調査時には、ツイッター、フェイスブック、インスタグラムに適した時間帯は火~木曜日の午前9~10時だった。「フェイスブックは企業にとって主要なコミュニケーションチャネル。消費者の行動がパンデミック前のパターンに戻ったことから、ビジネス用のツールとして日中に最もアクティブになり、エンゲージメントに変化が生じたのではないか」と語るのは、同社のソーシャルメディア担当ディレクター、レイチェル・グーレット氏だ。
AIを活用するPRのプロフェッショナルは2割
エージェンシー、ブランド、独立系コンサルティング会社に勤めるシニアコミュニケーター400名のうち、AIツールを用いて働き方を変えたのはわずか23%であることが、WEコミュニケーションズと南カリフォルニア大学(USC)アネンバーグ校の調査で明らかになった。一方で16%は、PRへのAIの活用について「非常に知識がある」と答えた。回答者の8割が、AIはPRの将来にとって重要であると考えており、一部のアーリーアダプターが導入するのを様子見している段階だという。
USCアネンバーグ校は2019年にも同様の調査を実施しており、当時は「AIについて非常に精通している」と回答したのはわずか4%であった。「もしAIについて指導や助言を行うとするならば、倫理的な配慮が必要なため、コミュニケーションのプロフェッショナルが適任」と語るのは、WEコミュニケーションズでコンテンツ&デジタル体験担当EVPのグレッチェン・ラムジー氏。「今後社会に与えうる非常に大きな影響について、通常このような会話をリードするのは私たちです」。
参加したことすら気付かないサーフィンコンテスト
リップカール(Rip Curl)とフィジー政府観光局は、最大規模となるサーフィンコンテストをバーチャルで開催する。対象となるのは一定期間中に、同社のスマートウォッチを装着してサーフィンした人全員で、GPSデータからトップスピードや波の数、パドリングの距離などを同社が解析しスコア化する。本人はコンテストに参加したことすら気付かない。優勝者は4名のライダーと共にフィジーへのサーフトリップが贈られる。企画はVMLY&R。
(文:田崎亮子)