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グラスドア、フィッシュボウル買収で透明性の高い情報交換の場を
グラスドア(Glassdoor)は、同じ業種の人たちがつながることができるソーシャルネットワーキングアプリ「フィッシュボウル(Fishbowl)」の買収を発表した。買収額は明らかにされていない。グラスドアは、リクルートホールディングスが2018年5月に買収した米就職支援サイト運営会社。フィッシュボウルを傘下に収めることで、ユーザーは転職希望先の職場環境についてリアルな情報のやりとりを促進する。
COVID-19によって、米国では「大退職時代(The Great Resignation)」が到来している。グラスドアの調査によると、成人就業者の69%が「転職を決める際に一緒に働くチームについてもっとよく知りたかった」と回答。また64%が「同業他社に質問できる方法があればよかった」と答えている。
産後に訪れる変化、リアルに収める
吸水ショーツなどを販売する豪ブランド「モディボディ(Modibodi)」は、出産後の女性のリアルな姿を集めるプロジェクトを、ゲッティイメージズと共に開始した。キャンペーンの背景にあるのは、モディボディが吸水性のあるブラやキャミソール、布おむつなどの発売に際し、使いたい写真が少ないという現実に直面したこと。産後のイメージ写真といえば「赤ちゃんを抱く幸せそうな母親像」、あるいは「泣く赤ちゃんに悩む母親像」といったものが多い。だが、母乳のしみ出し、尿漏れ、産後の出血、色素沈着、お腹のたるみといった現実味のある写真が、既存ライブラリの中にあまりにも少なかったのだ。
そこでゲッティイメージズの写真家と共に画像ライブラリを作成し、10月からは商用での利用も可能にする。また、特設サイトには女性たちの体験談、専門家による体の変化や授乳についての助言などを掲載する他、ハッシュタグ「#postpartumunfiltered」を用いた投稿を呼びかけるSNSキャンペーンも実施する。
同社のクリスティ・チョンCEOは「産後女性のための社会変革はチャレンジングだが、とても重要です。母乳育児や産後の体は自然でノーマルで、美しくもある。母親たちの人生のこの素晴らしい時期を、不名誉なものとして隠す必要があるのでしょうか?」と問いかける。
AIによる偏見、開発者の多様性で是正を目指す
欧米で「美しい女性」「美しい肌」「美しい顔」などと検索すると、有色人種の女性が表示されることは少ない――このような現状を変えるべく、P&Gのスキンケアブランド「オレイ(Olay)」が新しいキャンペーンを展開した。9月13日からのナショナル・コーディング・ウィーク(IT・プログラミング学習の機会を提供する週間)に合わせて公開された動画では「オンライン上での『美しさ』は、コーディングや社会によって決められている」と、AIによる偏見の是正に取り組む団体「アルゴリズミック・ジャスティス・リーグ」のジョイ・ブオラムウィニ氏が指摘。データや人工知能(AI)が定義する「美しさ」には、開発に携わる者の偏見が反映される可能性があるのだ。
キャンペーンが目指すのは、テクノロジーに埋め込まれて強調され続ける「無意識の偏見」を断ち切るため、STEM(科学・技術・工学・数学)に携わる女性の人数を2030年までに2倍にすること、そして有色人種の女性の人数を3倍にすることだ。まずは1,000人の少女たちを、ロボット工学やゲームデザイン、アプリ開発などを学べるコーディング・キャンプに招く。さらに1,200人を来夏のプログラムに送るため、ハッシュタグ「#DecodetheBias」の使用を促す。
なお同ブランドは2019年にも、スーパーボウル(アメリカンフットボールの優勝決定戦)に合わせ、女性のSTEM教育に対する支援を訴求するキャンペーン「#MakeSpaceforWomen」を展開している。
心待ちにしていた映画公開とビールは、満足度が高い
映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の英国での公開が9月30日(日本は10月1日)に迫る中、6代目ジェームズ・ボンドを演じるダニエル・クレイグ(俳優)がハイネケンのCMに登場した。グラスに注いで一口飲み、「待つだけの価値がある」と呟く。
これは当初2020年4月に予定されていた映画の公開が、COVID-19によって同年11月に延期になり、その後さらに今年4月、そしてこの秋へと延期され続けてきたことに触れたものだ。だが、ハイネケンは実際に115名を対象に調査を実施しており、ビール(あるいはノンアルコールビール)を飲むまでの待ち時間が0~30分の間では、20分待った人の満足度が最も高かったのだという。
「全てのボンドファンのように、我々も映画の上映を待ちきれません」と語るのは、ハイネケンのグローバル責任者であるブラム・ウェステンブリンク氏。「本当に待つだけの価値があるものが、いくつかあると信じており、今回それを証明できました。よく冷えたハイネケンであろうと、アクション満載の大ヒット作であろうと、本当に最高のものは待った者にもたらされるのです」
【お知らせ】
アジア太平洋地域の若き才能を選出する「40 Under 40」のエントリーが、今年も始まりました。詳細や、過去のサイトはこちら(英語)から。
(文:田崎亮子)