※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。
誤情報やヘイトスピーチの拡散抑止を 国連グローバル原則
国連は24日、「情報の誠実性のための国連グローバル原則」を発表した。事務総長のアントニオ・グテーレス氏によると、この原則が目指すのは「人々に自らの権利を要求する力を与えること」。誤情報や偽情報、ヘイトスピーチといった情報エコシステムに対するリスクが、紛争を煽り、民主主義や人権を脅かし、公衆衛生と気候行動を弱体化させているとし、「今、その拡散が、容易に利用できるAIテクノロジーの急速な進歩によってさらに勢いを増している」とした。
この原則では、テクノロジー企業に「ビジネスモデルの領域を策定する上で、プログラマティック広告に依存することなく、またユーザーの反応を引き出すことを人権やプライバシー、安全よりも優先しないように」することを求めている。このようなビジネスモデルが企業に成長機会を提供してきたことを認める一方で、「アテンションエコノミーを悪用する誤情報やヘイトスピーチの発信者に金銭的なインセンティブや機会をもたらしている」と指摘。広告予算が誤情報やヘイトスピーチの資金源となったり、人権を損なったりすることがないよう、デジタル広告のプロセスの透明化を求める。
「何十億もの人々が偽りの物語や歪曲、嘘にさらされているこの時代において、これらの原則は表現および意見の自由に対する権利など人権に強く根差した、今後進むべき確かな道を示すものです」。
カンヌライオンズ、アジア勢の受賞数が減少
先週のカンヌライオンズにおいて、アジア太平洋地域の賞獲得数は88点で、昨年(114作品)や一昨年(101作品)を下回る成績となった。豪州(昨年29作品→今年18作品)、インド(昨年24作品→今年18作品)、ニュージーランド(昨年20作品→今年15作品)、日本(昨年19作品→今年11作品)など、例年多く受賞する国々で減少した。
全30部門のうち3部門で、アジア太平洋地域の作品がグランプリを獲得している。
「ショートフィルムの活用を」 カンヌFilm部門審査委員長
「人々には、長尺の動画を見る時間がありません」。カンヌライオンズのFilm部門で審査委員長を務めた、アップル(Apple)マーケティングコミュニケーション担当バイスプレジデントのトア・ミレン氏が、会期中の講演でこのように語った。
「広告業界はショートフィルムをもっと上手に活用する必要があります。簡潔でスピード感があり、ブランドのストーリーを伝える上で素晴らしい方法だからです」。そして、今年のエントリー作品では60秒未満の「シャープで完結なストーリー」が少なかったという。
30分に及ぶドキュメンタリー風の動画を非常に多く見ており、長尺動画は「大きなトレンド」になりつつあるが、共感を呼ぶようには思えなかったと同氏は言う。「審査員として、誰も最後まで見るとは思いませんでした」。
「動画をオンラインで公開するというのは、非常に難しいこと。積極的な視聴を人々に求めるのですから、素晴らしいものでなくてはなりません。世界中の人々は、長い広告を見る時間がないのです」。そして、限られた時間の中で視聴者の心をつかむには、ストーリー展開を早くする必要があると述べた。
サッカー観戦中にこぼしたビールを補償 ハイネケン
ユーロ2024(サッカー欧州選手権)に興奮したサッカーファンがパブで誤ってビールをこぼした際に、おかわりを無料で提供するサービスを、ハイネケン(Heineken)がピュブリシス・ロンドンと共に英国で開始した。
ハイネケア(HeineCare)と呼ばれるキャンペーンには、5つのパブが参加。ここでビールを飲みながら試合を観戦するファンがこぼしてしまった場合に、QRコードを読み込んで「どこで」「どのように」こぼしたかを入力すると、ビールの引換券を受け取ることができる。
また、アムステルダムに本拠を置く雨具ブランド「レインキス(Rainkiss)」とコラボレートし、こぼれたビールで衣服が汚れないよう着用するポンチョを作成した。キャンペーンに参加しているパブで無料配布する他、ソーシャルメディアで抽選も行う。
(文:田崎亮子)