2020年までに世界の広告費の半分はデジタルが占める見通し
世界のデジタル広告費は、2018年に2370億米ドル(13%増)になる見通しだと、マグナグローバル(インターパブリック・グループ傘下の調査会社)は予測。これは現在のテレビ広告費(183億米ドル)を大きく上回る規模だ。2020年までに広告費のおよそ半分をデジタル広告が占めることになると見ている。成長を牽引するのはモバイル広告で、来年は1470億米ドル(27%増)まで成長する見込みだ。
ユーチューブ、不適切動画の取り締まりに1万人増員
不適切な動画や、広告主にとって「危険」となり得る動画を取り締まるため、ユーチューブは新たにスタッフを1万人増員する予定だ。既に機械学習を導入してはいるものの、十分ではないとして批判にさらされている。ユーチューブは、不適切なコンテンツの隣に広告が表示される恐れから、複数の広告主が広告掲載を中止しており、不安定な状況に置かれている。
プレーン・パッケージの潮流、飲料業界を直撃する可能性も
たばこのパッケージを、デザイン要素を排除した簡素なものに統一する「プレーン・パッケージ法」。これをたばこ以外の、砂糖や酒類など健康を害する商品にも適用しようという議論が、豪州とニュージーランドで起こっている。ブランド価値評価に特化したコンサルティング会社「ブランドファイナンス」の試算によると、この動きによる経済損失は、飲料業界だけでも3千億米ドルに上る。まだ仮説に過ぎないものの、人々の健康志向の高まりによって、多くの大手ブランドが痛手を負うことになるのは間違いない。
秘密裏に記事を買おうと画策する広告主たち
フォーブス、ファストカンパニー、ハフィントンポストなど有名なメディアに寄稿する複数のジャーナリストが、記事執筆の見返りに報酬を受け取っていたことを、ニューヨークに本拠地を置くニュースサイト「アウトライン(The Outline)」が明らかにした。記事内で取り上げられたジャーナリスト達は、広告主との関係について明言を避けている。出典の怪しいフェイクニュースが蔓延し、有名メディアを信頼する人が増える中で、見返りを受け取っての記事掲載はメディアの信頼を揺さぶる脅威として懸念されている。
ベネトンを手掛けたトスカーニ氏:多くの広告は「全くばかげている」
物議を醸すベネトンの広告で知られる写真家、オリビエーロ・トスカーニ氏はCampaignのインタビューに「あらゆるブランドは社会問題の提起に携わるべき」と述べた。また、ほとんどの広告やエージェンシーが万人受け広告を作ろうとしているのは「全くばかげたこと」で、「本当に成功するためには、マーケティング調査の結果を聞き、その正反対のことをするべき」だと話した。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)