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G7首脳へのメッセージ、広告で訴求
11~13日に英国コーンウォールで開催されたG7サミット(主要7か国首脳会議)に合わせ、さまざまな企業や団体が首脳に訴えかける広告を掲出した。たとえば英ジョンソン首相が貝に耳を当てたビジュアルに「海を守らなくては、気候危機を解決することはできない」と記された看板は、8つのNGOによるもの。制作はクリエイティブ・コアリションの共同創設者であるガイ・ムーア氏とピート・ブレイスガードル氏。新聞やソーシャルメディアでも展開された。
廃棄された家電で7人の首脳の顔を作った「マウント・リサイクルモア」は、携帯電話や家電製品の中古品売買を手掛けるミュージック・マグパイ社によるもの。4人の米大統領の顔が岩山に刻まれたマウント・ラシュモア(米国の国立公園)を彷彿とさせる。アーティストのジョー・ラッシュ氏とアレックス・レケッジ氏が制作した。
環境広告の他には、COVID-19のワクチン提供を首脳に呼びかけるキャンペーンをユニセフが実施した。公開書簡の形式で、親善大使やサポーター(デイビッド・ベッカム、フェルナンド・アロンソなど)32名の署名が添えられた。制作はマインドシェア(WPPグループ)。
何気ない一言が、傷つけていないか?
6月は多様なセクシュアリティへの理解を高め、権利の尊重を訴える「プライド月間」だ。これに合わせ、何気ない言葉で傷つける「無自覚な差別」の認知を高めるウェブサイトを電通フィリピンが公開した。LGBTQIA+の人々に向けられたコメントと、それを本人たちがどのように受け止める可能性があるかを解説し、別の表現方法を提案している。例の一つに、「あなたがトランスジェンダーであることは尊重するが、私たちや、特にクライアントがそのことを聞く必要は無い」というコメントが紹介されているが、これは「私はまったく尊重されておらず、私自身がどのような人物だと名乗るかは重視されていない」と捉えられるという。(捉え方や表現方法の提案はサイトから入力することができる)
「差別や偏見をあからさまに示さなければ、彼らを支持していることになると、多くの人は考えがち」と指摘するのは電通フィリピンのロキ・フェラー氏。「しかし許容(差し支えないと認めて受け入れる)は、受容(受け入れて自分のものとする)とは別のもの。だからこそ、人々が心の底から無条件に受容できるよう、環境を変えていく必要があります」
経営幹部を育成し、信頼される企業づくりを支援
PwCはエデルマンと共に、PwCトラスト・リーダーシップ・インスティテュートを立ち上げた。次世代の経営幹部が、責任あるエシカルな意思決定を行えるようサポートしていく教育プログラムを提供する。参加者は「経済的流動性の促進」「透明性を基本とした企業文化の醸成」などのカリキュラムに、オンラインや対面で受講できる。
「変革のペースは過去一年で加速しました」と語るのは、PwCの戦略&コミュニケーション責任者であるJ.C.ラピエール氏だ。「このディスラプションや変革に対応し、事業の成果を上げ、コミットメントを果たすためには、あらゆるステークホルダーとの信頼構築が不可欠です」。なお、20年以上にわたって信頼度調査「トラストバロメーター」を実施してきたエデルマンも、今月初めにエデルマン・トラスト・インスティテュートを立ち上げている。
PRアワード・アジア、日本の作品がグランプリを獲得
Campaign Asia-PacificとPRWeek Asiaが毎年開催する「PRアワード・アジア」の結果が発表された。グランプリを獲得したのは、マグロの鮮度をAIで目利きする「ツナスコープ(Tuna Scope)」。その他の受賞作品/企業についてはこちら(英語)。
(文:田崎亮子)