電通の労働環境改革、2018年の収益に影響か
電通の決算短信によると、職場環境の改善計画が2017年の業績に影響を与え、2018年も同様であることが分かった。同社は年内の達成を目指す労働環境改革基本計画への支出で、2018年の収益が減少すると発表。営業利益率は全体で3%減少して15.7%に。改革への取り組みが集中的に行われている日本では19.8%で、2017年に比べ4.7%の減少。2018年の営業利益は前年の1374億円から1129億円となり、17.8%の減少。純利益は616億円で、同じく1055億円から41.6%の減少となるという。
ADK、「インハウスプロダクション」で記録的増収
ADKは、2017年の粗利益が前年比6%増の542億円になったと発表した。営業利益は28.2%増で71億円。伸び率の2.4%は海外の子会社の業績によるもの。売上高は2016年の3526億円から微増して、3528億円(約32億ドル)に。海外売上高が占める割合は2016年の8.3%から8.9%となった。同社は収益が伸びた要因として、国内におけるインハウスプロダクションとデジタル分野の成長、中国における構造改革を挙げている。
売上が伸びずとも、自動車メーカーは堅調
インターブランドが発表した日本のベスト・グローバルブランドで、トヨタ自動車が10年連続の首位となった。このランキングは世界市場を基準に、日本ブランドの価値の高さをインターブランドが順位づけしたもの。クルマの売上の減少傾向はトヨタにとって致命的かと思われたが、同社は「モビリティを提供する企業」への転換を明言、変革の途上にある。トヨタに次ぐのはホンダと、キヤノンの地位を奪取した日産。スバルも9位に上昇した一方、レクサスは順位を2つ落として11位となった。車メーカーの健闘は各社のブランドエクイティ(資産的価値)が当面は持続することを示したが、将来も業績を維持するには事業の多角化を積極的に推し進める必要がある。今回ランキングに新たに登場したブランドにはオムロンやゾゾタウン、MS&AD、そしてロボットのスタッフをフィーチュアした「変なホテル」で話題を呼んだH.I.Sなどが含まれる。
大手テック企業を脅かすユニリーバ、「威嚇」は果たしてポーズか
インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)の年次総会がカリフォルニアで行われ、ユニリーバのキース・ウィードCMOは「フェイスブックやグーグルが透明性を高めず、有害なコンテンツを食い止める手段を取らないのであれば、両社からの広告を撤退する」と語った。大胆な発言ではあるが、決してフォローが容易ではない両社のデジタル広告への対応に警告を与えるものであることは確かだろう。マーケターは依然として、透明性の問題に多くの時間と予算を費やす。フェイスブックは直近の四半期で記録的な収益を上げたと発表。同社は徐々にではあるが変革に着手している。広告主もプレッシャーを強めようとしているが、結局は忍耐を学ばねばならないのかもしれない。
誰もが使えるようになった、スナップチャットのマーケティングツール
スナップチャットはとうとう、マーケティングのための自社のアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を全てのエージェンシーやブランド、開発者のために公開した。同社のAPIは2016年に公開されたが、これまではひと握りの限られたテック企業しか利用できなかった。今回の措置で広告主が広告を自動化したり、ツールを作ったり売ったりと誰もが利用できるようになる。広告はスナップチャットで劇的に成長を遂げている分野だ。昨年はそのせいもあって収益が104%伸び、8億2500万ドルに。それでも、全体を取り巻く状況はそれほど楽観的ではない。同社の新たなデザインは極めて不評で、元のデザインに戻すよう60万人が署名活動に参加した。スナップチャットの「天下」がいつまで続くかは、不透明な状況だ。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)