この「日本のクリエイティビティーを語る」シリーズでは、あらゆる規模の広告会社、商品やサービスの魅力を引き出すプロダクション、業界への影響力を高める戦略コンサルティング会社、生活者の行動を形づくるテクノロジー会社など、幅広い分野で活躍するクリエイティブリーダーを特集します。
それぞれのリーダーが独自の視点で語る、重要事項や課題。しかしそこに一貫するのは、日本のクリエイティビティーの特性や、日本の広告界の未来といったテーマです。
我々の業界がどのような未来に進もうとも、クリエイティビティーやコラボレーション、技能に深く根ざしたものであることに変わりはありません。このシリーズでお届けするリーダーたちの声が、皆さまが日々の仕事の価値を再確認する上でお役に立てば幸いです。
私たちは皆、今後の見通しや、次なる変化への対応に思いを巡らせています。しかし、慣習にとらわれない自由な未来や、今より相互のつながりが深まる未来、今までのやり方が通用しなくなった未来を思い描く一方で、日々さまざまなプレッシャーにさらされる現実の中で見失ってしまいがちです。変化を求める声があっても、いかに変化に対応するかを見いだせずにいるケースも多いのではないでしょうか。
私たちが競争力を維持し続けるために、多くの点で見直しが必要だということに、誰も異存はないでしょう。将来を考える上で、変えたくないものは何か、自分自身や会社が最も大切にしていることは何かを問い直すことから始めるのも良いかもしれません。時を経ても損なわれることのない優れた資質を、維持しながら前進する方法を考えるのです。企業や業界の転換という大きなテーマを前に、立ちすくむこともあるでしょう。それは多くの場合、失敗への恐怖心を払拭できず、将来のチャンスに対して楽観的になれないことが原因ではないでしょうか。
このシリーズで取り上げるクリエイティブリーダーたちの視点が、日本のマーケティング業界の素晴らしさの再発見につながればと願っています。
シリーズ第一回は、鏡明氏(ドリル エグゼクティブ・アドバイザー、元・電通エグゼクティブ・アドバイザー / グローバル・エグゼクティブ・クリエイティブ・アドバイザー)へのインタビューです。
バリー・ラスティグは、アジアを中心にブランド・戦略コンサルティングを手掛けるコーモラントグループのパートナーです。