DEI(多様性、公平性、包摂性)に関する世界規模の調査は、広告・マーケティング業界では初の試みとなる。
27カ国(28市場)で行われるオンライン調査を主導するのは、WFA。Campaignとカンターのほか、欧州広告業協会(EACA)、ヴォックスコム(Voxcomm、広告主業界団体の世界的アライアンス)、カンヌライオンズ 、アドバタイジングウィーク、エフィー(国際的マーケティング賞)といった団体・組織が後援する。
また、広告主ではディアジオ、グラクソ・スミスクライン(GSK)、マース、モンデリーズ、レキット、エージェンシーではハバス、WPPなども後援に名を連ねる。
今月21日は、業界最大のイベントであるカンヌライオンズの開幕日でもある。ライオンズは今年、パンデミックの影響でオンラインで行われる。
*調査ではご自身の状況や職場環境に関してお尋ねします。完全匿名制で、「該当なし」の選択肢も用意されています。「居住地域国」に日本をお選びいただきますと、日本語でご回答いただけます。回答に必要な時間は15分ほどです。
回答数が多いほど、精査な分析が可能となります。ふるって調査にご参加ください。皆様のご参加をお願い申し上げます。アクセスはこちらから。
調査のプロモーション動画(下)にあるように、「パンデミックは世界中で格差を広げた」。DEI実現のため、広告・マーケティング業界で働く人々からデータをとり、最低限の「ベースライン」を設定することは喫緊の課題だ。
「世界的なDEI調査によって我々の現在位置を確かめ、業界を進歩させることができる」(動画より)
WFAはCampaignと協働し、10月に調査結果を発表する。また、1年半後に再調査を実施。その間の業界の進捗度を査定する。
「これは世界の広告業界において、前例のない大規模な共同調査。我々のグローバルなパートナー、特にエージェンシー関連の組織や国際的な広告主、そしてそれらの提携組織・企業から協力を得られたことはこの上ない喜びです。より濃密な調査が可能となるでしょう」(WFAのステファン・レールケCEO)
「多くの国々からデータをとることで、今の業界に何が最も必要かがよくわかる。我々がDEIを向上させ、より良い業界になるための重要なプロセス」(EACAゼネラルディレクター、タマラ・ダルトロフ氏)
調査対象国・地域は以下の通り(アルファベット順);
ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、コロンビア、フランス、ギリシャ、湾岸協力会議参加国(バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)、香港、インド、アイルランド、日本、マレーシア、オランダ、ニュージーランド、パキスタン、ポルトガル、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、トルコ、米国
今回のグローバル調査は、英国で行われた調査「All In Census」をベースとしたもの。この調査にはカンターも参加した。
同調査では1万6000人が回答。その結果からわかったのは、黒人やアジア系、障がい者、労働者階級出身者の上級管理職が英国の人口比率と照らし合わせても少なく、業界に居つかない傾向が強いことだった。
今回の調査に関する詳細はこちらから。
(文:ギデオン・スパニエ 翻訳・編集:水野龍哉)