David Blecken
2018年8月10日

電通、売上総利益は増すも営業利益は減

より機敏に対応できる構造へ −− 様々な課題に対応すべく、電通は変革を目指す。

電通、売上総利益は増すも営業利益は減

電通グループが第2四半期の連結業績を発表、営業利益は前年同期比で5.6%減の405億円、当期利益は62.9%減の108億円となった。

調整後営業利益は1.8%減の609億円、調整後当期利益は19.8%減の316億円。

国内事業の調整後利益は全体の4分の3を占め、残り4分の1は海外事業を手がける電通イージス・ネットワーク(DAN)によるもの。

売上総利益は7.6%増で、国内が4.7%増、海外(DAN)が9.7%増。オーガニック成長率は4%で、国内が4.7%、DANが3.4%だった。

売上総利益におけるデジタルの構成比は45%。その4分の1は国内で、DANは60%以上を占めた。海外事業の構成比は58.2%で、昨年の56.2%から上昇。

第2四半期に労働環境改革に費やした予算は、年間予算130億円のうち54億円だった。

その施策の1つが、6月から試験的に導入した月1回の「インプットホリデー」。これは各社員の有給休暇に加え、全社で一斉に休みをとる制度。4月に出されたプレスリリースでは、「コンディションを整えたり、自己啓発に打ち込むなどして、良いアウトプットのために自分にインプットする日」としている。

海外事業に関しては、新たなものは「昨年の素晴しい実績には劣るものの、今期の業績は堅調」。

2018年度の連結業績予想(本年12月31日まで)は、営業利益が1129億円、当期利益が795億円だった。この数字はそれぞれ、1374億円、1055億円から減少した。

山本敏博・代表取締役社長は声明の中で、「我々のクライアントが直面するデジタル及びテクノロジー革命は、電通グループにとって引き続き大きなビジネスチャンスとなっている」とコメント。今後は他のプロジェクトとともに、輸送・モビリティ分野のビジネスイノベーションを目指すことも最近公表した。

また2020年1月までに、現在の持株会社組織を変えていくことも明言。現在の電通を事業会社と純粋な持株会社に分割する予定だという。

同社広報は、「成長を維持し、急激な変化への対応や意思決定の迅速化を図るためにはガバナンスの見直しが必要」とコメント。

別件ながら、電通は日本eスポーツ連合(JeSU)のマーケティング専任代理店に指名された。同連合のスポンサーはKDDIやサントリー、ローソン、ビームス、インディードなど。Eスポーツはこの2月、正式なプロ競技として日本で合法化されている。

(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:水野龍哉)

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