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米司法省、グーグルの広告事業の一部分離を要求
米司法省とカリフォルニアなど8つの州は24日、グーグルのデジタル広告事業が公正な競争を阻害し、反トラスト法(独占禁止法)に違反したと提訴した。競合企業を相次いで買収し無力化や排除をしてきたこと、優越的な地位を活かしてパブリッシャーや広告主に自社製品の使用を強制したことなどを指摘した。パブリッシャーが広告を配信するためのサービス、広告主が広告枠を購入するためのツール、そしてパブリッシャーと広告主をつなぐアドエクスチェンジをすべて運営していることを問題視し、一部を分離するよう求めている。
同社は昨年、司法局からの提訴を回避するため、ユーチューブの広告をサードパーティーの広告プラットフォームに開放するなどの譲歩案を示してきた。同社の優位性については欧州や豪州でも調査が行われている。司法局は2020年にも、検索サービス事業が反トラスト法に違反としたとしてグーグルを提訴した。
歴史的な判決から50年 女性の身体のことは誰が決めるのか?
英サーチ&サーチは昨年、米連邦最高裁判所が人工妊娠中絶の権利を認めたロー対ウェイド判決(1973年)を覆したことに対し、同社が1970年代に手掛けた男性向け啓発広告を復活させ、男性の顔をサミュエル・アリート判事のものと差し替えたビジュアルを公開していた。
ロー対ウェイド判決から50周年となる今年、同社はこのビジュアルに再びひねりを加えた。今回はアリート判事の他に、クラレンス・トーマス判事、ニール・ゴーサッチ判事、ジョン・ロバーツ判事、ブレット・カバノー判事と、いずれも中絶禁止を支持あるいは容認した男性判事も登場。キャッチフレーズは「女性の身体について男性が決定を下してきた50年間」だ。
「最高裁判所は過去50年間で女性判事を4名しか任命しておらず、1973年の判決を下した判事は全員男性でした」と、サーチ&サーチの最高クリエイティブ責任者であるフランキ・グッドウィン氏は語る。「もしも妊娠するのが男性ならば、彼らはどのように行動し、考え、そして投票するだろうか。この問いかけは50年経った今も、残念なことに大きな意味を持っているのです」。
ネットフリックスのヘイスティング共同CEOが退任
ネットフリックスの共同創業者であるリード・ヘイスティング氏が、共同CEOを退任し執行会長に就任することが明らかになった。後任にはテッド・サランドス氏とグレッグ・ピーターズ氏が就く。
また、同日に発表された同社の第4四半期の決算報告によると、売上高は78.5億米ドル(前年同期比1.9%増)。有料加入者数は、当初の予測予想(450万人増)を大きく上回り、770万人増加して合計2.31億人に達した。
IPGヘルス、日本においてFCBヘルスを発足
インターパブリック・グループ(IPG)のIPG Healthがこのたび、ヘルスケアコミュニケーションのエージェンシー「FCB Health」を日本において発足した。クリエイティブ、戦略、ブランディング、メディカルライティング、コンサルティングに加え、デジタルサポートなどを幅広く提供していく。細貝昌也氏がビジネス・ディレクターに就任し、マッキャンヘルス代表取締役社長の横川淳二氏と緊密に連携し、指揮を執っていく。
「FCB Healthの日本での事業開始は、IPG Healthの強みと、クライアントとそのブランド、そして社員にとって正しいことを行うという我々の揺るぎないコミットメントの証しです」と、IPG Healthのデイナ・メイマンCEOは述べる。「この新エージェンシーブランドの日本における発足は、高い潜在力を持つ日本市場において、クライアントとチームのさらなる成長を牽引し、新たな可能性を導き出すために不可欠なものです」。
TBWA HAKUHODO、新設したポジションに米澤香子氏
TBWA HAKUHODOはイノベーションを牽引していくポジションとしてHead of Innovationを新設し、米澤香子氏が就任した。従来の広告コミュニケーションの領域を越え、ビジネスの根幹となる製品やサービス、次世代コンテンツの開発をリードしていく。
米澤氏は東京大学で航空宇宙工学を専攻、学際情報学で修士号を取得の後、2010年に電通に入社。宇宙スタートアップ企業「アイスペース(ispace)」への出向などを経て、2020年からはワイデン+ケネディ トウキョウのクリエイティブ・テック・ディレクターとして活躍した。
(文:田崎亮子)