Robert Sawatzky
2017年5月29日

ADK、ゴンゾ買収にまつわる紛争で和解成立

ADKが昨年夏にアニメ制作会社を買収。その後、不適切な会計処理が行われていたことが発覚していた。

ADK、ゴンゾ買収にまつわる紛争で和解成立

アサツー ディ・ケイ(ADK)は、連結子会社であるアニメ制作会社ゴンゾの不適切な会計処理について、旧筆頭株主との間で和解が成立したと発表した。

ADKによると、同社は昨年7月にゴンゾの株式公開買付けを開始し、約62億円で買収。ゴンゾの株式は当時、80%をいわかぜキャピタル(投資ファンド)が保有していた。

8月に買付けが終了した後、買収前にゴンゾで不適切な会計処理が行われていたことが発覚。ADKは12月27日のプレスリリースで次のように発表している。

「売上計上、棚卸資産計上、貸倒引当金計上等の会計処理について、一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠していない可能性があり、従来の会計処理方法を修正することが適切であるとの結論に至りました」

ゴンゾの債務超過額は1,280百万円から2,305百万円と約二倍になった。またADKとゴンゾは、再発防止に向けて特別調査委員会を11月に設置している。

ADK代表取締役社長の植野伸一氏は5月26日のリリースで、買収に関連しADKに生じた損害(特別調査委員会の設置などを含む)の回復に向け、いわかぜファンドらに対し損害の補償請求を行う方針でいたが、提訴に至る前の協議により和解が成立したと発表した。

和解内容の詳細については開示されていない。なお、本件和解がADKの連結業績予想に及ぼす影響は無いとしている。

ゴンゾは国内でよく知られたアニメスタジオで、アニメプロデューサーの村濱章司氏らが1992年に設立した。

(文:ロバート・サワツキー 編集:田崎亮子)

提供:
Campaign Japan

関連する記事

併せて読みたい

9 時間前

世界マーケティング短信:米司法省がグーグルにChrome売却などを要求

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。

2 日前

トランプ再選 テック業界への影響

トランプ新大統領はどのような政策を打ち出すのか。テック企業や広告業界、アジア太平洋地域への影響を考える。

2 日前

誰も教えてくれない、若手クリエイターの人生

競争の激しいエージェンシーの若手クリエイターとして働く著者はこの匿名記事で、ハードワークと挫折、厳しい教訓に満ちた1年を赤裸々に記す。

2024年11月15日

世界マーケティング短信:化石燃料企業との取引がリスクに

今週も世界のマーケティング界から、注目のニュースをお届けする。