エアビーが国際オリンピック委員会(IOC)と9年間の最上位(TOP)スポンサー契約を締結した。来年から2028年にかけて行われる5つの五輪・パラリンピック大会期間中の公式宿泊先として認定され、大会を絡めた宣伝活動が世界で可能となる。
民泊情報サイト大手の同社にとっての強みは、ユニークな宿泊先とエクスペリエンスの提供だ。今後はマーケティングをより強化するとともに、アスリートと交流できる「Airbnbオリンピアン・エクスペリエンス」を開始、アスリートの収入にも寄与していく。
エクスペリエンスのホストを希望するアスリートには、エアビーとIOCがサポートと研修を行う。
更にIOCは、エアビーの持つ宿泊可能物件のうち約2800万米ドル(30億8000万円)相当に関し、「アスリートのトレーニング先などの宿泊先となる」と発表。「大会に向けた新たな宿泊施設の建設を最小限に抑えることで持続可能性を促進し、ホストや地元のコミュニティには直接的な収益をもたらす」とも。
最近の世界経済フォーラムの調査で、2016年リオデジャネイロ大会の際にエアビーが提供したビジターの収容能力は257軒分のホテルに匹敵するという結果が出た。
「エアビーとIOCはこれまで世界最大のイベントに宿泊先を創出・提供してきた実績がある。このパートナーシップで大会はこれまで以上に包摂的でアクセシブル、かつ持続可能性の高いものとなり、アスリートやホストコミュニティには恒久的で意義深いレガシーを残すことでしょう」(エアビー、ジョー・ゲビア共同設立者)
「このイノベーティブなパートナーシップは大会の効率的運営を持続可能にし、ホストコミュニティにレガシーを残すという我々の戦略を実証するもの」(トーマス・バッハIOC会長)
エアビーのスポンサーシップの対象となるのは2020年東京、2022年北京(冬季)、2024年パリ、2026年ミラノ・コルティナ(冬季)、2028年ロサンゼルスの5大会。
ワールドワイドオリンピックパートナーはエアビーが14社め。日本からはトヨタ自動車とパナソニック、ブリヂストンの3社、ほかにアリババやP&G、コカ・コーラといったブランドが名を連ねている。
(文:ダニエル・ファリー・ジョーンズ、翻訳・編集:水野龍哉)