ソーシャルメディア大手のTikTok(ティックトック)は、TikTokユーザーの約半数はクリエイターと提携するブランドを非常に信頼していると主張した。
TikTokは、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルで記者会見を開いて、ユーザーの内10人に8人(79%)が、TikTokを「ブランドが個性を発揮し、ブランドを表現する場」だと感じており、ブランドの広告による売上増加の47%は「クリエイティブによってもたらされている」と説明した。
また、クリエイター主導のコンテンツに惹かれるオーディエンスが増えてきており、「あらゆる規模のクリエイターに光が当たり、そしてフォロワーを獲得できる」環境づくりに力を注いでいると述べた。
さらに、再生回数560億を超えるトレンドハッシュタグ(#TikTokMadeMeBuyIt[TikTokを見てこれを買った])や、共通の関心やトレンドで形成される人気「コミュニティ」での成功を踏まえ、TikTok Creator Marketplace(TCM)を用いて「信頼できる」キャンペーンをマーケターが容易に開始できるよう、支援することを目標にしていると語った。
TCMでは、現在すでに80万人以上のクリエイターが広告主とつながっており、「影響力の高い」ブランデッドコンテンツを制作しているとTikTokは述べている。
TikTokクリエイターマーケティングソリューションのグローバル運用責任者を務めるエイドリエン・ラヘンス氏は、「私たちはクリエイターと広告主の成果を測定したり、高めたりする方法に専念しており、TCMを利用すれば、彼らがTikTokに求めていることをすべて実現できるようにするつもりだ」と語った。
また、TikTokのグローバルビジネスソリューション責任者スチュアート・フリント氏は、Campaignの取材に対し、TikTokはZ世代向けのアプリだという通説に対し「真実を明らかにしたい」と述べた。
フリント氏は、現時点のTikTokユーザーの67%は25歳以上だと前置きした上で、ポストパンデミックの意識が浸透し、「大人の」コミュニティ(#BookTok=本, #TravelTok=旅、#CleanTok=掃除)が活性化してきたおかげで、クリエイターがブランドとパートナーシップを構築し、フォロワーを集める機会も増えてきていると説明した。
「これらのコミュニティには間口も奥行きもあり、今では私たちの事業の基盤になっている。そしてそれらに対しても、私たちは素晴らしい戦略を準備している」とフリント氏は言う。
グローバルビジネスソリューションとエコシステムパートナーシップの責任者を務めるメリッサ・ヤン氏(下の写真)は、TikTokの最新広告ツールを「新しいクレヨンの箱」と呼んだ。そして、この新ツールをもっともっとアクセスしやすく使いやすくして、より多くのブランドをクリエイターと結び付けていきたい、とCampaignに語った。
「TikTokはさまざまな意味で、ブランドをコミュニティに変える場所だ。私たちはこのTikTokのプラットフォームで、本物の声を発信するコンテンツ制作者やクリエイターと、数多く関係を築いてきた」とヤン氏は言う。
同氏は、「誰もが簡単にアクセスでき、クリエイトできるようになった。人の点と点を結ぶテクノロジーの役割が高まるほど、多様な考えや独創的なアイデアを発信しやすくなるはずだ」と付け加えた。