2018年からスタートした「パワーリスト」は、APACで強い影響力を発揮するマーケターを選ぶ取り組みだ。今年はデータ分析大手ダブルベリファイ社との共同企画で実現した。
この5〜10年で、ブランドマーケターの責務は大きく変わった。ブランドストーリーを伝える媒介にはメタバースやインフルエンサー、そして新たなプラットフォームが加わり、様々なタッチポイント(顧客接点)を考慮せねばならなくなった。データソース、オンラインあるいはオフラインのインタラクション、AI(人工知能)、アドテク……現代のマーケターは常に最新情報に長けていなければならない。
ここに選んだマーケターは皆、こうした面で非常に優れている。だが弊社が選考基準としたのはそれだけではない。
まずは、その影響力。50人のマーケターのほとんどは、潤沢な広告予算と市場シェアを誇るブランドに所属する。だが、彼らは現状維持に満足せず、独創的アイデアで消費者と積極的なコミュニケーションを図る。エンゲージメントの向上、ブランドのさらなる成長に貢献しているのだ。
2つ目の基準は、DEI(多様性、公平性、包摂性)。ブランドパーパスの伝播にとどまらず、企業文化にDEIを根付かせる上で率先的役割を果たしていることに着目した。
そして、イノベーションとクリエイティビティー。的確なインサイトに基づき、的確なタイミングで斬新かつ大胆な戦略を実行しているか否か。
リストの50人のうち約半数は過去に選ばれた面々であり、残りは今年新たに選出された。消費者活動が「コロナ後」のフェーズに突入し、ブランドの浮沈や課題の変化が反映された結果と言えよう。マーケターにとっては新たな挑戦の時代だ。
選出にあたって、弊誌エディターは繰り返し討議を重ねた。その結果、APACのベストマーケターをリストアップできたと自負する(マーケターの全リストはこちらから)
では、日本から選ばれた2名のマーケターをご紹介しよう。
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