Campaign Asia-Pacificでは、新型コロナウイルスの感染拡大という危機的状況に対するブランドの動きを、2月から追いかけています。もちろん、すべての企画を網羅できているわけではないので、こちらまでご連絡いただくか、@CampaignJPN をつけてツイートしていただければ幸いです。
個性あふれる作品を上映してきた、独立系映画館を守る
外出自粛要請を受けて全国各地で映画館が休館となった。特に独立系の小規模映画館が存続の危機に直面している。5月22日には山形県鶴岡市の「鶴岡まちなかキネマ」が閉館、「急激な経営環境の変化を自助努力では乗り切れない」と判断したとウェブサイトに記されている。
5月初旬には映画監督が発起人となって、小規模映画館を守るためのクラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」を立ち上げ、わずか3日で目標金額を集めた。他にもアップリンク・クラウドやアジアンドキュメンタリーズにて、定額での見放題配信キャンペーンを実施中だ。
映画館の閉館は、配給会社や製作者にとっても死活問題だ。映画界全体としての生き残りをかけ、立ち上がったのがインターネット上の「仮設の映画館」だ。観たい作品と、それをどの映画館で観たいのかを選んで鑑賞料金を払うと、一般的な興行収入と同様に劇場、配給会社、製作者とで分配される仕組みだ。サイトには「これは、新型コロナウイルスの脅威によって停滞している『映画の経済』を回復させるための試みの一つです」とある。ただし、あくまでも“仮設”の映画館であり、「もちろん状況が改善したら、ぜひ『本物の映画館』に足をお運びください」とのこと。劇場での鑑賞を思い起こさせるオリジナルのマナーCMも制作された。
手を洗いたくなるシール、テプラで印刷可能に
消防設備の保守管理を手掛けるイグジット(大分県)が、ウイルス柄の透明なシールを制作し、4月17日にツイッターに投稿したところ、15万件超の「いいね」を集めて話題となった。手洗いが習慣づくには時間がかかるが「手洗いを自動的にやってしまう仕組みはないものか」と考えたことがきっかけだと、同社ブログに記されている。さらには、PowerPointやWordを使ってウイルスの図柄を作成する方法まで紹介されている。
このシールとコラボレートしたのが、キングジムのラベルライター「テプラ」だ。同社サイトから無料でダウンロードし、パソコン接続に対応する機種で出力できる。キングジムの公式アカウントによると、イグジットの投稿を見た担当者がテプラの開発チームに情報提供し、イグジット側とツイッターで連絡をとり、一度も対面せずに企画を遂行したとのこと。なおテプラは、他にも感染症対策のデザインをサイト上で公開している。
すこし前に「これはいいアイデア、テプラでできないかな?」とつぶやいたこと、お覚えでしょうか。 https://t.co/4phjbvaqOC
— キングジム (@kingjim) May 18, 2020
ナイキ、自宅でできるトレーニングをアスリートと共に配信
外出自粛によって、普段通りのトレーニングを実現できないアスリートが多い中、ナイキは自宅でできるトレーニングで動き続けることを呼びかけている。同社がグローバルに展開するYou Can’t Stop Usキャンペーンの日本独自のコンテンツには、これまで村田諒太選手(ボクシング)、重本沙絵選手(パラ陸上短距離)、大迫傑選手(陸上長距離)などが週替わりで登場し、メッセージ、トレーニングのコツ、心身を休ませるアドバイスなどを発信。ユーザーはアスリートに取り上げてほしいトレーニングを投票したり、トレーニングしている様子を収めた動画をハッシュタグと共に投稿できるなど、参加型のキャンペーンとなっている。
ダンボール製のオフィス家具で在宅勤務を快適に
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くの企業が在宅勤務に切り替えた。自宅にしっかりしたデスクや椅子が揃っている社員ばかりではなく、オフィス家具の需要が伸びている。
電通テックは5月12日、強化ダンボール製の即席ワークスペースを発売した。同社は2月から、軽くて扱いやすく、環境負荷を抑えたダンボール製品のブランド「danbal(ダンバル)」を展開している。イベントや店舗にダンボール製の什器や家具を導入することで、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みをアピールできるというもの。これらの商品は、ダンボール家具を専門に扱うECサイトで購入が可能だ。
ダンボールを用いた在宅勤務用の製品には他にも、生活感のある背景を消すための「背負える背景」がツイッターで話題となり、その後発売された。
在宅勤務でスカイプ会議してるけど自宅の背景が気になると言う話を受け、背景を隠せて背負える段ボールなどという狂気の逸品が爆誕した。 pic.twitter.com/CZjekadQer
— ケンポン@段ボールテーブルの人 (@kenpon_g) April 20, 2020
ゲッティ、新型コロナがテーマの奨励金でフォトグラファーを支援
写真や動画などのデジタルコンテンツを提供するゲッティイメージズは、新型コロナウイルス(COVID-19)に関する写真を世界中のフォトグラファーから募る「ルポルタージュ奨励金」を発表した。8名のフォトグラファーに5,000米ドルが付与される。各国の法律や規制を遵守し、自身やコミュニティーの安全と健康を最優先とした撮影を求めている。応募締切は5月15日午前0時(米国東部標準時)。詳細はこちらから。
外出の規制により、フォトグラファーたちは活動に大きな影響を受けている。「世界中で前例のないチャレンジに直面する中で、ビジュアルコンテンツは、ウイルスが世界中で日常生活にどのような影響を及ぼしたかを伝えることができます。ストーリーテリングはこれまで以上に重要になります」と、同社シニアバイスプレジデントのケン・マイナーディス氏はコメントしている。
ほぼ日、中止になった展覧会の公式グッズを販売
ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」が運営するほぼ日カルチャんは4月28日から、新型コロナウイルスの影響で中止・延期になった展覧会やイベントの、公式図録やオリジナルグッズをオンラインで販売している。
こどもの日に、大規模なオンラインイベントを開催
ゴールデンウィーク目前だが、今年は外出自粛のため自宅内で過ごす人が多くなる。そんな中、こどもの日(5月5日)に、Zoomを使った「親子でオンライン体験フェス」が開催される。同実行委員会と地域体験マッチングサービス「Tabica」を運営するガイアックスが共同開催するもので、50種類のワークショップ(各40分)のうち30までを無料で楽しむことができる(事前予約が必要)。
ブルームバーグ、全世界の大学生・大学院生に無料アクセスを3カ月間提供
米ブルームバーグ・メディアは4月22日、世界中の大学生および大学院生がBloomberg.comに3カ月間無料で提供すると発表した。同社のジャスティン・スミスCEOは声明内で「ブルームバーグ・メディアは世界中のオーディエンスが、十分な情報に基づいた意思決定ができるよう、ニュースと情報を提供しています。新型コロナウイルスの影響により予測不可能な時代を切り開いていく、次世代の起業家やビジネスリーダーにも確実に提供していきたいと考えています」とコメント。なお、新型コロナウイルス関連の情報については2月下旬から無料となっている。
アリババ、学生向けのデジタルソリューションコンペを実施
アリババグループ傘下のアリババビジネススクールが、新型コロナウイルス終息に向けて、また終息後を見据えたデジタルソリューションのコンペ「アリババ・グローバルEコマース・タレント・グローバル・チャレンジ2020」を実施する。対象は中国、インドネシア、マレーシアなど13の市場の、大学および高等教育機関に所属する学生による、3~5名のチーム。ライブストリーミングでコーチングを受けたり、最新事例や業界動向などの資料にアクセスすることができる。
アクセンチュア、労働力の過不足を調整するプラットフォームを開始
新型コロナウイルスで経済が停滞し、多くの人が失業や休業の影響を受けるとされる。一方で、労働力が圧倒的に不足している業種もある。そんな両者をつなげようという取り組み「People + Work Connect」が開始した。立ち上げたのはアクセンチュア、リンカーン・フィナンシャル・グループ、サービスナウ、ベライゾン。申し込みは雇用主が行う。参加に費用はかからない。現在のところ、バクスター、カーギル、フリトレー、マリオット、モンデリーズなどが参加している。
都内有名シェフ、医療従事者に食事を無償提供
自らもリスクを負いながら最前線で働く医療従事者に、栄養たっぷりで美味しい食事を提供しようと、都内レストランのシェフたちが「Smile Food
Project」を立ち上げた。支援したいと考える企業からの申し込みフォームなどがサイトに用意されている。
スーパーやドラッグストアが従業員に一時金
外出自粛が続き、スーパーマーケットやドラッグストアの利用が伸びる中、従業員は業務量が増え、感染リスクにもさらされるなど厳しい条件で働いている。食品スーパー大手のライフコーポレーションは、全国の全ての従業員約4万人に、総額3億円の一時金を支給する。一人当たりの支給額は異なり、詳細は公開されていない。ドラッグストア「スギ薬局」を運営するスギホールディングスも、全従業員約2万6千人にボーナスを支給した。
Airbnbとトリップアドバイザー、オンライン体験を提供
エアビーアンドビーは世界各地のホストによるオンライン体験の提供を開始した。日本の僧侶との瞑想、タロットカード占い、オリンピック金メダリストから学ぶ目標設定の方法、アイリッシュダンスのレッスン、インテリアデザインのワークショップなど多岐にわたる。旅行自粛の直撃を受けた民泊事業だが、このサービスの提供によりホストは収入を得ることができる。エアビーアンドビーのサイト/アプリを通じて予約でき、Zoomにて参加する。
現地ツアー予約を展開するビアター(Viator、トリップアドバイザー傘下)も#RoamFromHomeキャンペーンの一環として、世界各地へのバーチャルツアーを提供する。ビール醸造所の見学ツアー、世界各地の料理教室、ベルサイユ宮殿のVR(仮想現実)ツアーなど、有料のものと無料のものが混じっているが、同社によると有料体験の約8割は中小企業が運営するものだという。
小規模な飲食店に、アプリ経由で注文可能に
シンガポール発のフリマアプリ「カルーセル(Carousell)」は、地元の中小企業を支えるキャンペーン「#SupportLocal」を開始した。その中の一つとして、カテゴリーに「Local F&Bs」を加え、地元の小規模な食料品店や飲食店・屋台が、テイクアウト/デリバリーの注文をとれるプラットフォームを提供する。
ホテル外観にスマイル顔
大手ホテルチェーンのマリオット・インターナショナルは4月9日より、都内、宮崎、バンコク、ジャカルタなど270軒以上のホテルにて、客室に明かりを灯し、スマイル顔のシンボルをホテル外観に描いた。「これを見たすべての人々に笑顔をもたらすように」との願いが込められているという。また同社の従業員は各地域社会に貢献すべく、合計4万時間以上をボランティア活動に充てた。
LINE、厚生労働省と全国調査を実施
LINEは全国のユーザー8,300万人を対象に、新型コロナウイルスに関する全国調査を実施し、全回答データを厚生労働省に提出した。第1回(3月31日~4月1日)、第2回(4月5~6日)の有効回答者は、どちらも2,500万人弱(約3割)。第3回も、4月12~13日に実施された。
厚生労働省のサイトで公開された第1回の結果から明らかになったのは、37.5度以上の熱が4日間以上続いていると回答した人が全体の0.11%(26,935人)に上ること。社会的距離の確保や密閉・密接・密集の条件を回避できない職業・職種のグループで、発熱者の割合が比較的高いことも分かった。
マスク生産に多業種から参入
マスクの安定供給を図るため、経済産業省が「マスク精算設備導入支援事業費補助金」を公募。この制度を利用する採択事業者の一覧を見ると、もともとマスクを生産していたメーカー以外にも、生活家電メーカー、織ゴム・ひもメーカー、靴下メーカーなど、その業種は多種多様だ。
政府からの補助を受けたマスクは、一般消費者にはまだ手が届きにくい。だが、日清紡が紳士用ワイシャツ向けの生地を用いたマスクを製造し、紳士向けシャツ専門店「東京シャツ」のECサイトで予約を受け付けた(現在は販売終了、今後の予定は未定とのこと)。またアイリスオーヤマでも、通販サイト上でマスクを販売している。
シャープ、ツイッター公式アカウントを宣伝用に開放
クリーンルームを活用したマスク生産をいち早く開始したことで注目を浴びたシャープだが、同社の公式ツイッターアカウントもさまざまな取り組みが話題となっている。最近は、プリンターを所有していないためテレワーク時に困る人に向け、コンビニの複合機でプリントアウトできる同社サービスを紹介していた。
2月末には、同社のツイートを宣伝用の場所として、お店や企業のアカウント担当者に向けて解放した。厳しい状態が続く中で、「ふだんは嫌われがちな広告だけど、今こそ存分に広告しよう」と力強いメッセージを発信。イベントが中止になり余ってしまったという食品や、少人数でサービスを提供している事業者などが、次々と宣伝を投稿した。もちろんシャープ自身も「売るほどたくさん家電を作っています。(中略)いますぐ買わなくていいので、そのうち買ってくれ!!」とアピールしている。
バーチャルバーで注文し、営業再開を心待ちに
ウィリアム・グラント&サンズ(酒造メーカー)が4月9日夜、Zoomにてバーチャルバー「1887」をオープンした。一時休業を余儀なくされたバーをオンラインで支援する取り組みで、シンガポールで人気を誇るバーから毎週バーテンダーを招く。参加者はメニューから「デジタルカクテル」を注文すると、その金額がバーに寄付され、ウィリアム・グラント&サンズからも同額が寄付されるという仕組み。注文した人がバー再開後に店舗を訪れると、そのドリンクを楽しむことができる。
アマゾン ウェブ サービス、WHOと教育現場をサポート
アマゾン ウェブ サービス(AWS)は世界保健機関(WHO)と連携し、新型コロナウイルスの研究を支援する。また、診断ソリューションの研究開発を支援する「AWS Diagnostic Development Initiative」を立ち上げ、まずは2000万米ドルを投資した。
他にも、遠隔授業の導入にあたって教師をサポートするイニシアチブも立ち上げた。オンライン授業の経験がある教師たちのネットワークを活用し、さまざまなテーマにおいてオンライン講座を無料提供する。
スターバックス、従業員支援に1,000万米ドル
スターバックスは世界中のパートナー(従業員)に向けて1,000万米ドルを拠出し、新型コロナウイルスによって困難に直面した従業員を支援する。支援対象となるのは、住居、日用品、家族・パートナーの死亡、葬儀などにかかる費用が含まれる。日本や中国などでは、Caring Unites Partnersの頭文字をとった「CUPファンド」を通じて資金援助される。
WhatsApp、転送制限で誤情報の拡散を遅らせる
WhatsApp(メッセージングアプリ)は、同プラットフォームで誤情報が拡散するのを減らすため、5回以上転送されてきたメッセージは、1つのチャットグループにのみ転送できるように変えた。同社は公式ブログの中で、第一線で戦う医療従事者を支援するムーブメントを例に挙げながら、情報の転送には有益な面もあることを認めつつも、「転送される情報量が大幅に増加することで圧倒され、誤った情報の拡散につながる可能性」があり、WhatsAppをパーソナルな会話の場に保つため情報拡散を遅らせることが重要だと表明した。
KFCマレーシア、アレンジレシピを募集
活動制限令により外出が抑制されているマレーシアで、ケンタッキーフライドチキンが#KepciKitchen キャンペーンを開始した。同社製品を簡単にアレンジできるレシピの開発を、食に特化したインフルエンサーに呼びかけた他、広く一般からも募集する。(なお日本サイトには既にさまざまなアレンジレシピが掲載されている)
オンライン会議を盛り上げるバーチャル背景、続々公開
世界中で多くの人々が現在自宅にこもり、オンライン会議システムを使った業務や飲み会を開催している。そのバーチャル背景として使える動画や画像を、シンガポールのセントーサ開発公社が公開した。届いたメールを払いのけるアニマル&バード エンカウンターズのサルの動画や、プールサイドにカクテルが運ばれてくる動画、マダム・タッソーのろう人形が面白いメッセージを発する画像など、コロナ終息後に訪れたい観光名所がユーモラスに紹介されている。ダウンロードはこちらから。
日本でも、TBSテレビのドラマ『半沢直樹』や『逃げるは恥だが役に立つ』のおなじみのセットや、アニメ、ゲームなどのコンテンツ会社からバーチャル背景が数多く公開。大塚家具やLIXILのようなインテリアブランド、博多座(演劇専用劇場)、異色なところでは丸善ジュンク堂書店も公開している。
アパレルサイトが日用品も販売
アジア太平洋地域のアパレルECサイト「ザローラ(Zalora)」が、日用品の販売も開始した。同社の流通ネットワークを活かし、食品やヘアケア商品、洗剤、トイレットペーパーなどを扱う。特にデリバリーサービスを利用できない地域の人や、買い物に出かけるのが困難な人にとって、非常に便利なサービスの提供といえるだろう。
マリーナベイ・サンズ、15,000kgもの食品を寄付
4月7日から1カ月間の職場閉鎖に入ったシンガポールで、マリーナベイ・サンズはパンや野菜、果物、肉、乳製品など約15,000kgをフードバンクに寄付した。同施設では既にカジノも閉鎖されている。宿泊の予約や、アトラクションのチケットはキャンセルとなり、返金されるという。
シンガポール航空の客室乗務員、病院の労働力不足をサポート
新型コロナウイルスの患者増に対応するため、シンガポール航空は客室乗務員300名以上からなる「ケア・アンバサダー」を病院に派遣すると、チャンネル・ニュース・アジア(CNA)が報じた。リスクが低い病棟で、患者への食事の提供や、ベッドの上に座る際の介助、洗面所への付き添いなどを担当する。
テンセント、AIを用いたセルフチェックツールを提供
腾讯(Tencent)は、新型コロナウイルスへの感染をセルフチェックできるツールを公開した。AIを用いたこのツールは、感染の不安を抱えた人たちが医療機関に押しかけることで医療崩壊を起こしたり、さらなる感染を拡大するリスクを抑えることを目指す。
香港政府、渡航者の滞在先での検体回収サービスを開始
香港政府衛生署は4月3日、海外からの渡航者の喉から採取した唾液を、滞在先で受け取るサービスを開始した。物流スタートアップ2社(Gogovan、Pickupp)が検体を回収し、クリニックに届ける。
ゲーム会社がマスク製造
シンガポール発のゲーミングブランド「レイザー(Razer)」は、マスクの自動製造ラインを30日以内に立ち上げ、毎月数百万枚を生産すると発表した。当初は中国で生産し寄付していたが、特に東南アジアでマスクや防護服の不足が深刻であることから、シンガポールにも製造ラインを置くことにしたという。
テスラが製造した人工呼吸器に課題
テスラが人工呼吸器を生産し、世界の病院に寄付した。だがこの装置を受け取ったニューヨークの病院によると、病院の集中治療室で必要としているものとは形式が異なるため、使用できないのだとか。
フェイスブック、報道機関3社とオンラインニュースを配信
フェイスブックはセブンニュース(豪州)、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(中国)、ザ・ストレーツ・タイムズ(シンガポール)は4月3日、ニュースイベント「COVIDフロントライン」を開催。専門家を交えながら、それぞれの地域で得られた知見を共有し、新型コロナの脅威にいかに立ち向かうかを考えていく。
メイバンク、利用者の救済スキームと従業員支援策を展開
メイバンク(マレーシアの銀行)は、ローン返済やクレジットカード支払いの6カ月間の自動モラトリアム(猶予)を4月1日より開始した。またシンガポールにある18の支店では、窓口で業務にあたる行員や警備員、不動産管理エージェント、清掃員などにバウチャーを配布。マレーシア活動制限令(MCO)のためシンガポールに一時滞在中の従業員や、14日間の自宅待機により日用必需品の入手が困難な従業員への財政支援策も発表している。
J&J、ワクチン開発・供給に尽力
米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンは10億回分のワクチンを世界規模で供給することを目指し、既存の製造能力を急速に拡大中だ。今年9月までには臨床試験を開始し、2021年初頭に緊急用の利用が可能になることを見込んでいる。これは通常のワクチン開発プロセスと比較して、大幅に期間が短縮されたものだという。
また、米政府機関と提携して、新型コロナウイルスワクチンならびに抗ウイルス治療薬の研究開発に、共同で10億米ドルを超える投資を行った。
デリバリー大手Grab、ビジネスパートナーを支援
シンガポールの食品デリバリー大手「グラブ(Grab)」の経営層が、報酬20%を返上し、食品提供会社がコロナ危機を乗り越えるためのマーケティング支援に充てると発表した。同社では配達を担うパートナーが入院や検疫となった場合の支払いも実施している。
スーパー大手、高齢者などの優先時間を設ける
シンガポールのスーパーマーケット「フェア・プライス」は3月30日より、高齢者や障害者、妊婦などが優先的に購入できる時間帯を設けた。今後は毎週月曜日、開店後1時間(24時間営業の店舗であれば朝7~8時)が優先時間となる。
Spotify、ミュージシャン支援策を開始
スポティファイ(音楽ストリーミングサービス)は、新型コロナウイルスによってコンサートの中止を余儀なくされるなど多大な影響を受けているアーティストを、支援するプロジェクト「COVID-19 ミュージックリリーフ」を立ち上げた。ユーザーがHelp Musicians、MusiCares、PRS Foundationなどの団体を選んで寄付すると、スポティファイが同額を寄付するという仕組み。
ファストフード大手、社員にボーナス支給
レストラン・ブランズ・インターナショナル傘下のバーガーキング、ポパイ(フライドチキンチェーン)、ティム・ホートンズ(ドーナツチェーン)は4月に、北米の従業員に特別ボーナスを支給する。新型コロナの感染拡大は外食産業に大打撃を与えているが、社員たちの「ゲストやコミュニティーに対する多大なるサービス」を評価したものだと同社ホセ・シルCEOは語る。
ファストリ、マスクを寄付
ユニクロなどを運営するファーストリテイリングは、中国の取引先工場の協力を得て、医療用マスクを約1000万枚製造し、各国の医療機関に寄付した。
Airbnb、ホストと連携し医療従事者の滞在先確保に協力
エアビーアンドビー(Airbnb)はすべてのマーケティング支出を止める計画だと、ブライアン・チェスキーCEOは社内に語った。テック系メディア「インフォメーション(The Information)」が報じた。エアビーアンドビーの損失は既に数億米ドルに及ぶというが、世界中に7000名ほどもいる社員をレイオフ(一時解雇)するかは明らかではない。
同社はホスト(宿泊場所の提供者)に向け、キャンセル費用を負担する救済基金を設立。また一部の地域では、第一線で対応にあたる医療従事者や救援救急隊員向けの宿泊施設を提供するプログラムも実施しており、4万人以上のホストが協力し、10万人以上(3月31日時点)の医療従事者の滞在先確保につながった。
アリババの基金、医療物資を寄付
アリババ公益基金会と、ジャック・マー(馬雲)氏の基金「馬雲公益基金会」は3月末、7カ国(アゼルバイジャン、ブータン、インド、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、ベトナム)にマスクや防護服、検査キット、体温計などを寄付。両基金は3月中旬にも、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピンに寄付を実施している。
ネスレ、社員やコミュニティーを広く支援
一部地域で生産を一時的に停止しているネスレだが、この影響を受ける従業員に少なくとも3カ月間の給与を支給すると発表した。また必要に応じて社員の交通や食料を提供して社員の感染リスクを軽減する他、経済的に困窮する従業員のための貸付制度も設ける。同社は他にも、赤十字社と連携しながら食料品や医療栄養食などの寄付も実施している。
VWやアウディ、ロゴを一時的に変更
感染拡大を防ぐため、他社との距離を確保する「ソーシャルディスタンス」を十分にとることが求められている。これを後押しするように、アウディとフォルクスワーゲンが、おなじみのロゴを一時的に変更した。
フォルクスワーゲンはまた、3Dプリンターを使った人工呼吸器などの製造にも検討することを3月下旬に表明している。
これよりも前の取り組みについては、英語版にて詳しくご紹介しています。
(文:Campaign Asia-Pacific編集部、翻訳・編集:田崎亮子)