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突然解任されたアルトマン氏、CEO復帰で合意
対話型AI「チャットGPT」を開発した米オープンAIで、CEO解任をめぐる混乱が続いた。同社は17日(現地時間)、サム・アルトマン氏の解雇を突如発表した。解任の理由として「取締役会とのコミュニケーションにおいて率直さを欠き、取締役会の責務遂行を妨げている」ことがブログに記されている。AIの安全性と成長性をめぐる対立が原因といわれる。共同創業者で社長のグレッグ・ブロックマン氏も取締役会を解任され(社長として留任)、その後社長を辞任すると発表していた。
すると9割超の社員が、取締役会の退陣とアルトマン氏らの復帰を求め、実現しなければ退社する意向を示した。一方、アルトマン氏は今週に入り、マイクロソフト社に新設されるAI研究部門を率いると発表した。
だが21日にオープンAIは、アルトマン氏のCEO復帰で基本合意したと発表。同氏を解任した取締役会を再編し、ブレット・テイラー氏(セールスフォース元共同CEO)とラリー・サマーズ氏(元米財務長官)が加わり、アダム・ディアンジェロ氏(クオラCEO)が留任する。これを受けてマイクロソフトのサティア・ナデラCEOは「より安定し、十分な情報に基づいた効果的なガバナンスに向けた道のりの、不可欠な第一歩だと信じている」「強力なパートナーシップを構築し、次世代AIの価値を顧客やパートナーに提供できることを楽しみにしている」とXにコメントした。
ラッシュ、ブラックフライデーに大手テックに挑む
英コスメブランドのラッシュ(Lush)が大手テック企業に挑むべく、ブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日で大規模セールが行われる)である24日に限定版のバスボムを発売する。「ザ・クラウド」という名前のこのバスボムは、売上が「ピープル・バーサス・ビッグ・テック(People vs Big Tech)」に寄付される。
同社は2021年11月に、「非公表で訪問者データを使うプラットフォームは利用しません」「過剰な利用によるリスクを最小限に抑え、健全な利用パターンを促すようなサービス設計を望みます」などSNS利用のポリシーを公表し、SNSアカウントを停止した。また今年3月にはSXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)で大手テック企業への広告出稿を大幅に削減すると宣言した。
「ブラックフライデーは通常、大手のテック企業が莫大な利益を得る書き入れ時ですが、それにどのような犠牲を払っているでしょうか?」と問題提起するのは、同社のグローバルブランドディレクター、アナベル・ベイカー氏。「監視広告や搾取的なアルゴリズムの無い未来へと道を拓いて、コントロールを人々の手に戻すピープル・バーサス・ビッグ・テックなどのムーブメントに資金を提供するため、一年の中で重要なこの時期にキャンペーンを実施することが大切です」。
年末商戦のオンライン広告で膨大な無駄 クリエイティブX調べ
年間の広告費の約3割が、年末の祝祭シーズンに費やされる。だが米国に本拠を置くクリエイティブX社(CreativeX)が世界の390万件以上(440ブランド、約36億米ドル)の広告を調べたところ、6億米ドル以上が「不適切な広告」であるために無駄になっていたという。
同社が言うところの「不適切な広告」とは、動画の冒頭3~5秒でブランディングを行ってない、音声オフでの視聴を想定した字幕を追加していない、最適なサイズや長さで制作していないといった広告を指す。
「クリエイティブチームは、画期的な年末商戦キャンペーンを実施して消費者の購買意欲を引き出すべく、年間を通じて努力を重ねています」と語るのは、同社の創業者兼CEOであるアナスタシア・レン氏。「残念なことに彼らの作品は、広告アセットをデジタルメディア環境に合わせて最適化するという最終工程のところで、効果が低く抑えられてしまっているのです」。
青年トランスジェンダーに医療ケアへのアクセスを
全米レズビアン権利センター(NCLR)はトランスジェンダー啓発週間(11月の第2週)に合わせ、トランスジェンダーの医療ケアへのアクセスを題材に扱う動画を公開した。
動画には、トランスジェンダーであることを家族に打ち明けた3組の親子の手紙が登場する。口論になったこと、面と向かって話せずに手紙を書いたこと、新しい名前を一緒に考えてくれたこと、必要なケアが受けられるよう支えてくれたことなどを振り返る内容で、全文はキャンペーンサイトに掲載されている。企画・はエデルマンと、同社のLGBTQIA+の従業員による組織「アウトフロント(Out Front)」、制作はウィンディー・フィルムズ(Windy Films)。
青少年期のトランスジェンダーが直面する医療提供の障壁は、大きな課題となっている。日本でも、トランスジェンダーの約8割がセクシャリティーに関連した困難を経験し、その影響で42%は体調が悪くても病院に行けないと回答していたことが、今年3月のNPO「ReBit」による調査で明らかになった。
マーコム界の若きリーダー「40 Under 40」を選出
Campaign Asia-Pacificが毎年、アジア太平洋地域のマーケティング、広告、メディア業界から傑出した若き才能を選ぶ「40 Under 40」の、今年の受賞者が発表された。日本からはTBWA HAKUHODOのクリエイティブディレクター、宇佐美雅俊氏が選出された。「40 Under 40」の全受賞者はこちら(英語)から。
(文:田崎亮子)