※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。
「成長の基盤はクリエイティビティー」P&Gプリチャード氏
3月1~3日に開催されたスパイクスアジア×CampaignにP&Gの最高ブランド責任者マーク・プリチャード氏が登壇し、クリエイティビティーの重要性について強調した。ブランドは社会貢献活動を力強く推進すべきとの議論が活発な中で、同氏はフォース・フォー・グッド(善を推進する力)になるためには企業としての成長が不可欠と考えている。「成長していないフォース・フォー・グッドは慈善活動です。慈善活動は素晴らしいですが、我々はビジネスですから」。
そして、成長と社会貢献を両立するために鍵となるのがクリエイティブの力であり、特に市場の混乱が深刻な時期にはその重要性が高まるという。「今後数年間で大きな変化が多くみられるでしょうが、基盤となるのはクリエイティビティーです。クリエイティビティーこそがビジネスを、そしてブランドを動かす原動力なのです」。至るところで起こっているディスラプション(創造的破壊)へのベストな対処方法は「先んじて取り組むこと、そしてこれを建設的に行い、市場を新しく創出したり拡大していくこと」だと語る。「そこで重要になるのがイノベーションとクリエイティビティーなのです」。詳しくはこちら(英語)。
シャッターストック、NPOにサービスを無料で提供
ストックフォト会社シャッターストック(Shutterstock)は、世界的なムーブメント「1%の誓い(Pledge 1%)」の一環として、NPOにサービスを無料で提供する。同社が展開するプログラム「クリエイティブ・フォー・グッド」でNPOは、デジタルクリエイティブを3カ月間無料で利用できる他、その活用方法をチュートリアルで学ぶこともできる。NPOがクリエイティブやマーケティングの知識を得ることで、資金調達や人材募集、啓発活動に活かしてほしいというのが、このプログラムの趣旨だ。
CEOのジョニー・ヘンドリクセン氏はこのように語る。「私たちは日々、インパクトのある動画クリエイティブを、世界の大手ブランドに提供しています。これまでの成功を今こそ、より良い世界を作ろうと注力する人々、例えば平等性を促進したり、気候変動に取り組んだり、サステナビリティーを推し進めたり、コミュニティーを良くしていく活動に取り組む人々に、還元していくときなのです」。
インターネット広告費がマス4媒体広告費を上回る
電通が先日発表した「2021年 日本の広告費」によると、日本の総広告費は2桁増の6兆7,998億円(前年比110.4%)だった。COVID-19の影響が下半期にかけて緩和したことや社会のデジタル化が進んだこと、インターネット広告費が好調に成長したことに加え、東京2020オリンピック・パラリンピックが広告需要を後押しし、成長を牽引した。
インターネット広告費(2兆7,052億円)は、マスコミ4媒体広告費(2兆4,538億円)を初めて上回った。またインターネット広告費のうち、マスコミ四媒体に由来するもの(新聞デジタル、雑誌デジタルなど)が初めて1,000億円を超え、「媒体社が持つ高い編集力や制作力でリッチなコンテンツが提供されるようになり、オンラインイベントや動画・音声配信など各種サービスが拡大した」と同社は分析する。
スパイクスアジア2022、日本勢4作品がグランプリ獲得
アジアで最も権威ある広告クリエイティブ賞「スパイクスアジア2022」の受賞作品が今週発表された。日本勢は以下4作品がグランプリを獲得した。
■Creative Data部門
双日「TUNA SCOPE」(電通)
■Digital Craft部門
YAKUSHIMA TREASURE「YAKUSHIMA TREASURE ANOTHER LIVE from YAKUSHIMA」(電通クリエーティブX、Dentsu Craft Tokyo)
■Media部門
SK-II「VSシリーズ」(メディアコム、グレイ)
■Social & Influencer部門
P&G「#PrideHair」(グレイ)
全部門の受賞作品ならびに特別賞の一覧はこちら(英語)。
メディアのDXを阻むのは人材の不足
英国に本拠を置くメディアセンス(MediaSense)が、メディアブランドの最高マーケティング責任者(CMO)100名超を対象に実施した「メディア2025」によると、自社のデジタルトランスフォーメーション(DX)を完了できたと確信できるCMOは全体のわずか11%であった。サイロ化した社内、互換性のないテクノロジー、不十分なデータ、人材不足などがDX推進の障壁になっているという。
回答者の55%が、より多くの機能を内製化したいと検討している。しかし人材不足がこの業界の足を引っ張っていると考えるCMOは全体の56%に上り、2015年(27%)から大幅に増えている。
(文:田崎亮子)