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アマゾンの人員削減が広告会社にも影響か
アマゾン(Amazon)が動画配信サービス「プライムビデオ(Prime Video)」や映画・テレビ制作の「アマゾンMGMスタジオ」などの部門で数百人の人員削減を行うことが明らかになった。ゲーム実況配信サービス「ツイッチ(Twitch)」でも500人以上のレイオフ(一時解雇)を実施する。
プライムビデオ部門のアジア太平洋担当バイスプレジデントを務めるガウラヴ・ガンディー氏の社内宛てメモによると、サービスの成長に最も大きく貢献する国や地域にフォーカスし、いくつかのプログラムや取り組みを中止するという。東南アジアへの投資を削減し、オリジナルコンテンツ制作からライセンシングへと事業モデルを変え、運営の合理化を進める。一方で、日本やインドなどの投資戦略は変えないとのことだ。
この人員削減計画は、IPGメディアブランド傘下のイニシアティブ社(Initiative)にも大きな影響を及ぼすとみられる。同社にとってアマゾンは最大のクライアントで、今月末から一部の国で始まるプライムビデオへの広告配信もサポートする。イニシアティブ社が日本市場で手掛けるのは、クラウドサービスや広告ソリューション、法人向けサービス、人材採用など。
人員削減計画の影響についてCampaignはIPGにコメントを求めたが、回答は得られていない。だが複数の情報筋は、同社に影響が及んでいることを認めている。
カルバン・クラインの広告は「古典的な性的対象」 英規制当局
カルバン・クライン(Calvin Klein)が昨年4月に公開した広告が、英国の広告基準局(ASA)によって禁止された。対象となったのは、FKAツイッグス(シンガーソングライター)が左肩からデニムシャツをかけ、右側が大きく露出したポスターだ。ASAが問題視したのは、女性を性的対象として描いていること、そしてターゲットを絞っていない媒体で公開したこと。しかし、ケンダル・ジェンナーが登場する広告2点も同様に肌の露出があるが、こちらは禁止されていない。
下着の広告である以上、ある程度の肌の露出は当然だとカルバン・クライン側は主張する。しかしFKAツイッグスの広告は、衣服よりもモデルの身体的特徴に焦点が当てられており、古典的な性的対象として表現しているとASAは判断した。一方、ケンダル・ジェンナーの広告については「ポーズによって様式化されており、モデルの身体に焦点を当てたものではない」「着用していた下着が目立つため、ランジェリーの広告として解釈される可能性が高い」と結論付けられた。
FKAツイッグスはインスタグラムに「彼らがいうところの『古典的な性的対象』というレッテルは、私には見えません。私に見えるのは、あなたが想像する以上の痛みを乗り越えてきた、美しくて強い有色人種の女性です」と投稿。「過去や現在の広告を見返すと、ダブルスタンダードがあるとしか考えられない」と批判した。
カルバン・クラインは今月も、ジェレミー・アレン・ホワイト(俳優)を起用した男性向け下着の広告を公開し大きな話題に。ASAはCampaignに対し、この広告についても性的対象となっていないか検討中であることを認めている。
旅の情緒的な部分にフォーカス エクスペディアの日本向けCM
オンライン旅行会社「エクスペディア(Expedia)」が、日本向けのCMを公開した。米国のカントリーダンスを習う3人が、本場ナッシュビルへの往復航空券と宿泊のお得なセットをエクスペディアで発見。勇気を出して旅に出て、地元の人たちと一緒にダンスを楽しむ。監督を務めたのは、日本生まれの米国人映画監督であるヒロ・ムライ氏。
「私たちは、エクスペディアが旅行の障壁を取り除き、より素敵な旅行体験を実現するための架け橋となることがブランドの役割であると考えています」と語るのは、グローバル・マーケティング部門バイスプレジデントのルーク・ハリス氏だ。旅行とは本来、非常に情緒的なものであるにも関わらず、同業の多くは旅行計画の最後の部分である予約にだけフォーカスしてきたと指摘する。そして日本独自に用意した新しいブランドメッセージ「いつものそとへ」は、「コロナ禍を経験した旅行者とつながり、人々の旅への根源的な欲求を思い出させるメッセージです」と述べた。
スパイクスアジア、登壇者を一部公開
アジア最大級の広告の祭典「第38回 スパイクスアジア(Spikes Asia)」が、3月13~14日にシンガポールで開催するイベントの登壇者を一部公表した。
ブランド成長やビジネス価値向上においてクリエイティブが果たす役割、アジア太平洋地域での文化の変化、そしてテクノロジーの影響といった、クリエイターやマーケターが直面している課題について話すプログラムになっている。現時点ではアンドリュー・ロバートソン氏(BBDO)、マーティン・ソレル卿(S4キャピタル)など、ブランドと広告会社双方からの登壇者が公開されている。他の登壇者や内容についても間もなく公開を予定している。
詳細についてはhttps://www.spikes.asia/(英語)をご覧ください。
(文:田崎亮子)