※記事内のリンクは、英語サイトも含みます。
エージェンシー・オブ・ザ・イヤー、全て発表される
Campaign Asia-Pacific主催「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」の日本/韓国の受賞者は先日発表されたが、その他の地域についても12日に全て発表された。詳しくはこちら(英語)から。
M&Cサーチの取締役4名が辞任
M&Cサーチ(M&C Saatchi)の共同創業者であるモーリス・サーチ氏が11日、他3名の取締役(マイケル・ピート氏、マイケル・ドッブス氏、ローナ・ティルビアン氏)と共に辞任した。同社は会計上の不正行為が8月に発覚し、株価が急落していた。衝撃的な辞任劇だが、同社ワールドワイドCEOのモレー・マクレナン氏は「ビジネスの基盤は健全で、我々のプロダクトはかつてないバラエティーと品質を誇る。そして我々は、より高い水準でのガバナンスを実現して、再び浮上する」とのメモを社内に宛てて送った。
今年のマーケティングワードは「パーソナライゼーション」
全米広告主協会(ANA)が今年のマーケティングワード・オブ・ザ・イヤーとして、「パーソナライゼーション」を選出した。消費者は自分に関係のないものに時間を費やす余裕がないほど多忙で、自分が望むものを届けてくれることをブランドに期待しているというのが、選出の理由だ。他には「平等とインクルージョン」「データ」「インハウス(内製化)」が候補に挙がっていた。
来年の広告費は成長が鈍化すると予測
グローバル全体で広告費は4.3%増加するとの予測を、ゼニスが発表した。ただし、米中貿易戦争がなければ5.4%増が見込まれたといい、いかに広告市場に大きな打撃を与えているかがわかる。オンライン動画やソーシャルメディアは2022年までに年平均13.8%~16.6%増と躍進するが、マスメディアはテレビ視聴者数の減少や広告ブロックにより、オーディエンスが1.6%減少するとみられている。「全てのオーディエンスを一カ所で見つけられた時代は終わりました」と、マット・ジェームス氏(ゼニス グローバル・ブランド・プレジデント)はリリース内でコメント。「しかし今はテクノロジーにより、(オーディエンスを)オンラインでもオフラインでも見つけ、カスタマージャーニーにおいて適切なメッセージを適切なタイミングで、ターゲットに届けることができます。効率性と有効性という価値を広告主に提供できるのです」
マグナも広告費予測を発表した。アジア太平洋地域の2019年の広告費は6.3%増加し、グローバル全体(5.2%増)や北米(5.1%増)、欧州・中東・アフリカ(4.3%増)の成長率を大きく上回った。だがこの成長は減速し、2020年はグローバル全体で5.7%増(アジア太平洋は5.9%増)という予測だ。アジア太平洋地域の広告費の2/3は中国(同地域の45%を占める)と日本(同22%)によるものだという。
Mumbrella、アジアから撤退
豪州の広告・メディア関連サイト「マンブレラ(Mumbrella)」が、アジア事業から撤退する。同社から毎日配信されるメールの購読者は2.5万人を超えるが、創業者のティム・バローズ氏によると、「6年半にわたって事業を展開してきたが、一度も黒字化したことが無かった」。社員のキャリアや生計に関わるのはもちろん、11月にシンガポールで大きなイベントを成功させたばかりでもあることから、撤退は「難しい決断」だったというが、ビジネスの観点ではむしろ「もっと早く下すべき決断だった」とも。その上で、グローバル展開への野心はまだ冷めていないこと、そしてこの度のシンガポールでの「失敗」を、他地域での成功に活かしていくとの考えを述べている。
広告界における人の動き
今年の広告界は、人の出入りが激しい一年となった。中でも、突出して多かったのは電通イージス・ネットワークで、リーダー層の動きだけでもすべてを網羅するのは難しいほど。主要な動きについてまとめた記事はこちら(英語)から。
(文:田崎亮子)