資生堂は、店舗改革やコミュニケーションにおけるイノベーションを目指し、R/GAと提携する。
R/GAからは、総指揮をとるマーク・ロイド・ラック氏(ユーザー・エクスペリエンス部門アソシエイト・クリエイティブ・ディレクター)の他、シニア・プロデューサー、クリエイティブ・テクノロジー・ディレクター、ソフトウェア・エンジニア、デザイン・ディレクターの、計5名が資生堂の「組込み型チーム」として常駐する。
R/GAアジア太平洋バイス・プレジデント・マネージング・ディレクターのジム・モファット氏によると、チームはまずコーポレートイベントの顧客体験やサービスの開発に取り組むこととなる。
R/GAを資生堂のクリエイティブに組み込むことで、外部のエージェンシーにクリエイティブブリーフを渡して進めてもらう従来型のアプローチとは異なった、より良い連携が実現するのではと、資生堂クリエイティブ本部長の山本尚美氏は語る。
山本氏によると、R/GAのメンバーは「資生堂のクリエイティブ本部にとって欠かせない存在」だ。
今回の提携で目指すのは、クリエイティブの制作にとどまらない。「発想や制作、コラボレーションの新しい方法を構築することが、我々の最終的なゴールです」
またR/GAは、顧客体験や商品・サービスのイノベーションや、スピーディかつ協調的な働き方を実現していくとモファット氏は話す。
山本氏は昨年Campaignのインタビューで、デジタルやソーシャルといったメディアにより「短いサイクルで大量のコンテンツ制作が求められる」ようになったとコメントしている。
資生堂は「真にグローバルな企業」となるべく尽力しており、今年10月を目処に、本社部門の公用語を英語にするとも報じられている。
同社はまた、デジタルを軸とした改革も目指している。これには「まったく新しいマインドセット」が必要だが、その際にクリエイティブ本部がさまざまな部門を刺激し、実現へと導くポテンシャルがあると山本氏は考えている。
(文:デイビッド・ブレッケン 翻訳・編集:田崎亮子)