
英国人のほぼ半数は、グーグルなどの検索エンジンが広告によって利益を上げていることを知らない −− 英国情報通信庁(Ofcom、Office of Communications )が行った調査でこんな事実が分かった。
Ofcomは英国内のインターネット利用に関する初の調査「オンライン・ネーション」を実施。その結果、ほぼ半数の人々(46%)は検索エンジンサービスを提供する会社の収入源を正しく答えられなかった。(18%は誤答、28%は『分からない』と回答)。
英国ではほぼ全てのネット利用者(97%)が検索にグーグルを使う。2番目によく使われるのはマイクロソフトのビング(Bing)だが、わずか14%だった。
言うまでもなく、ほとんどのオンライン事業者にとって主な収入源は広告だ。昨年の英国のオンライン広告収入は134億ポンド(約2兆100億円)に上り(2017年度比で13%増)、英国における総広告収入の半分以上(57%)を占めた。
オンライン広告収入の約61%を占めたのはグーグルとフェイスブック(FB)の2社。両社は英国成人男女が最も利用するウェブサイトだが、滞在時間(オンライン時間の35%)からすればはるかに大きな収入を得ている。
また、ネット利用者の10人のうちほぼ9人は毎月ユーチューブを閲覧。1日の平均視聴時間は27分だった。FBもほぼ同数の人々が閲覧し、1日に費やす時間は平均23分。
全体的なソーシャルメディアの利用者は依然多いものの、英国のFB利用者は減っている。リーチ数や利用率、収益で依然FBは英国最大のソーシャルメディアだが、利用者は過去2年で減少した(2016年はソーシャルメディア利用者の95%だったが、2018年には88%に)。
ソーシャルメディアを複数使いこなす利用者も増えている。2018年にはFBのみの利用者は20%(2017年は32%)。だが滞在時間は増えて、1日平均23分はスナップチャットの約9分、インスタグラムの5分よりもかなり長い。またFB利用者の74%は、最低でも1日に1度はFBを閲覧する。
成人男女の約70%はソーシャルメディアにアカウントを持ち、オンライン中は5分毎に約1分、ソーシャルメディアを閲覧。総じて1日平均39分、FBやスナップチャット、ワッツアップ(WhatsApp)、インスタグラム、タンブラー(Tumblr)、ツイッター、リンクトイン(LinkedIn)、レディット(Reddit)、ピンタレスト(Pinterest)といったサービスを利用している。
英国人の8人に1人(13%)はインターネットを利用しておらず、この数字は2014年から変わらない。インターネットを利用しない主な理由は「必要性を感じないから」(回答者の47%)だった。
調査結果は、「全体としてネットの利用時間が減った」と付記。利用者は平均で1日に1分以上、15種類のインターネットのサイトやアプリを利用する。このひと月で「以前閲覧したさまざまなウェブサイトやアプリを利用した」と人は5人に1人。3分の1以上(36%)は、「頻繁に閲覧するウェブサイトかアプリのみを利用した」と答えている。
(文:オマール・オークス 編集:水野龍哉)