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ターゲティング広告へのCookie使用が今後も可能に
ChromeブラウザからのサードパーティCookieの廃止について、計画変更をたびたび発表してきたグーグル(Google)が、このたび廃止計画の撤回をブログで発表した。
サードパーティCookieに関してユーザーが選択管理する方法は「現在のアプローチを維持する」と決定。新たな選択プロンプトを展開する予定は無く、「引き続き、Chromeのプライバシーとセキュリティ設定からご自身にとって最適なオプションを選択できます」とのこと。広告主は今後も引き続き、サードパーティCookieを使用したターゲティングを行うことができるようになる。
同社のプライバシーサンドボックス担当バイスプレジデントであるアンソニー・チャベス氏は昨年7月に「ユーザーが選択できる新しいアプローチ」を検討していると発表したが、その後パブリッシャーやデベロッパー、規制当局、広告業界などとの対話の中で「サードパーティCookieの利用に影響を及ぼす変更に対しては、さまざまな意見があるということが明らかになりました」と説明する。
サードパーティCookieによる追跡ができない設定になっている「シークレットモード」については、IPアドレス保護を今年の第3四半期に提供開始する予定。セーフブラウジング、セーフティチェック、組み込みのパスワード保護、AIを活用したセキュリティ保護といった、Chromeブラウザへの投資も継続する。
大量の不正広告をAIで事前にブロック グーグル
グーグルが広告の安全性についてまとめた2024年版のレポートを発表し、詐欺広告の防止にAIを活用していることに言及した。効率的かつ正確な取り締まりを大規模に実現するため、昨年は50以上の大規模言語モデル(LLM)を強化。これにより、不正な支払情報などといった詐欺の兆候や、悪質ある行為者を早期に特定できるようになったという。
同社はこの1年で、51億件の広告を削除し、91億件を制限した。また3,920万件の広告アカウントを停止しており、そのほとんどは広告掲載前に停止している。
近年は、AIによる著名人へのなりすまし広告が増加しており、これに対応するため100人以上からなる対策チームを編成し、対策を講じた。その結果、70万件以上の広告アカウントを永久停止し、不正広告の報告数は前年比で9割減少した。
日本市場では2億350万件の広告を削除し、140万の広告アカウントをていし。最も多かったポリシー違反は「編集」にまつわるもので、「広告ネットワークの不正利用」「商標」「法的要件」「不実表示」が続く。
アート・ガーファンクル、長年患っている乾癬を語る
サイモン&ガーファンクルとして活動していたアート・ガーファンクルが、サンファーマ(Sun Pharma)の乾癬啓発キャンペーン「I LUV YA for The Long Haul」に出演した。特設サイトで公開された動画に妻のキムと登場した同氏は、長年乾癬を患っていたと語る。
「夏の野外コンサートで、まるで秋のような服装をしていたのを覚えている」と語るキムに、ガーファンクルは「長袖やズボンで隠そうとしていた」。さまざまなクリームや治療法を試したが効果が無かった。だが医師の勧めで2年前に治療薬「イルミア」を使ったところ、肌に変化がみられたという。
サンファーマでシニアディレクター兼バイオ医薬品担当マーケティング責任者を務めるモリーン・シャノン氏は、ガーファンクルがイルミアを使った治療をしていることを臨床医から知り、キャンペーンのパートナーへの起用を考えたという。
「患者の体験談はホリスティックな観点から乾癬を浮き彫りにし、皮膚科医や配偶者、親しい友人など人間関係の大切さを強調します」とシャノン氏。「事前の分析や評価、著名人やそのチームとの交流によって、将来のパートナーシップがどのようなものになるか、そしてどのように進めていくかを把握しやすくなります」。
同社は今後、患者のストーリーを展開しながら、ソーシャルメディアなどのチャネルでガーファンクルとのパートナーシップを拡大していく予定だという。
ペットを飼うことを説得する動画、AIツールで生成
ペットフードブランドのアイムス(IAMS)が、子犬や子猫を飼うことを家族に納得してもらうための動画を生成するツールをカナダでリリースし、世界中でも展開予定だ。
このAI動画生成ツールは、グーグルの動画生成モデル「Veo 2」を使用している。ユーザーは飼いたい犬種/猫種や名前などを入力すると、飼ってみたいと思わせるような動画が、映画の予告編のようなスタイルで生成される。
「カナダ全土でより多くの家庭が、ペットを飼いたいという願いを現実のものにできるよう、このツールを作りたいと考えました」と、マース·ペット·ニュートリション·カナダ(Mars Pets Nutrition Canadas)のマーケティングディレクターであるアニメシュ·クマール氏はコメントする。
(文:田崎亮子)